2011年3月17日(木)「しんぶん赤旗」

主張

被災地支援

混乱を回避し、救援に全力を


 東日本大震災の被災地に食料や飲料水を輸送する政府の対応が遅れています。

 冷え込みが厳しい被災地では灯油不足も重大です。ガソリンなどの不足に対して政府は緊急車両や自衛隊には補給しているものの、一般の被災者が必要とするガソリン、灯油は民間任せです。政府として石油業界に被災地への供給を強める要請すらしていません。

 医薬品の確保や大量の水を必要とする透析患者への手だてなど、緊急に実行する必要があります。

的確な情報と対応こそ

 被災者になかなか支援の手が届かず、救援する側も大混乱に見舞われています。避難所には原発事故の情報もまともに届いていません。この状況を打開するには、何より政府がしっかりとその役割を果たすことです。

 日本共産党国会議員団は、岩手、福島、宮城、茨城など被災地の調査を踏まえて「燃料、正確な情報、水と食料を」と政府に申し入れました。燃料不足への緊急対策、速やかで正確な情報の提供、水や食料の物資受け入れ窓口の設置、被災者支援制度の周知など政府はただちに実行すべきです。

 首都圏でも地震の直接の被害に加えて、ガソリンや食品などの物流の混乱が発生しています。的確な情報を住民に届け、物流の混乱を抑える役割を政府が果たしていません。政府が認めた東京電力の「計画停電」も被災地を対象に含めるなど、配慮に欠ける対応で混乱に拍車をかけています。

 こうした中で東京市場の株価が14、15日と暴落しました。16日には少し値を戻したものの不安定な状態です。暴落はヘッジファンドなど投機資金による投げ売りが原因だとみられています。

 日本は未曽有の規模で広範囲に及ぶ震災に襲われ、その被災地、被災者の救援・復興に持てる力を結集しなければならない決定的に重要な時期にあります。救援と復興の土台である日本経済を、ぬれ手であわのマネーゲームでかく乱する投機資金に対して抜本的な規制の強化が求められます。

 今回の震災に対して、日本国内のさまざまな団体・個人や世界各国から、哀悼と応援の温かい励ましの言葉、物資や資金などの支援の申し出が届いています。

 高校生、スポーツや芸術、産業界など各界・各層から支援の声が上がっています。現地の要望を具体的につかんで全国に物資提供を呼びかけ、日本海側からの独自の搬入ルートを確保して支援を進めている中小企業団体もあります。

 世界からの支援の輪は先進国から途上国、大きな国から小さな国まで100カ国を超えて広がっています。国連も「日本は今まで世界中に援助をしてきた。今回は国連が全力で日本を援助する」と表明しました。

 国際的な応援を受け、日本全国が心を一つにして被災地の救援に取り組もうとしているときです。なおさら、マネーゲームで日本経済をかく乱する投機集団の動きは許せません。

知恵と力を結集して

 未曽有の被害が原発事故や石油化学コンビナート火災など複合的に広がっています。救援と復興に心を一つにして力を尽くすためにも、甚大な被害にふさわしく、すべての知恵と力を結集した体制と対応が切実に求められます。





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