2011年3月16日(水)「しんぶん赤旗」

各国 原発見直し

稼働延長計画を凍結 ドイツ


 【ロンドン=小玉純一】ドイツのメルケル首相は14日、日本の原子力発電所の事故を受けて、ドイツの原発の稼働延長計画を3カ月凍結し、原発を総点検する方針を発表しました。これに伴い、1970年代半ばに稼働を始めた2基の原発が運転を停止することになりました。

 メルケル氏は会見で、「(日本の事態が)教えることは、絶対に起こり得ないと考えられた危険も、完全には排除できないことだ」と述べました。

 ドイツではシュレーダー前政権が2002年、国内にある17基すべての原発を21年までに停止する方針を決定。ところがメルケル政権は昨年、それを覆し、平均12年の稼働延長を決めていました。

 今回の計画凍結で運転停止となる2基の原発は、シュレーダー前政権の方針で今年中に停止となる予定でした。その一つがあるバーデン・ビュルテンベルク州では、稼働延長計画に反対して6万人が参加する人間の鎖行動が取り組まれたばかりでした。

再検討へ タイ、フィリピン

 【ハノイ=面川誠】タイのエネルギー省関係者は、アピシット首相が原子力発電所計画に反対する立場を政府部内に伝えたと述べました。バンコク・ポスト紙(電子版)が15日、伝えました。

 アピシット首相は13日、福島第1原発の事故を受け、「日本で起きたことは、タイに原発を建設すべきかどうかという決定に影響するだろう」と記者団に述べていました。

 タイは中国や日本の技術協力を受けて2020〜25年に5基の原発を商業運転させる計画を推進していました。

 一方、フィリピン議会エネルギー委員会は14日、原発推進派が提出していたバターン原発再開決議案を審議対象から外すことを決めました。

 バターン原発は1984年に完成しましたが、86年に安全上の問題から閉鎖。アキノ政権は昨年7月、同原発については再開しない方針を決める一方で、電力不足解消のために原発利用に向けた調査を進めています。

 フィリピン各紙によると、アルメンドラス・エネルギー相は14日、今後の調査方向について、「安全性の問題について正しい調査をするのが望ましい」と述べました。





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