2011年3月13日(日)「しんぶん赤旗」

カダフィ氏は権力放棄を

EU臨時首脳会議が宣言


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)は11日、ブリュッセルで臨時首脳会議を開き、北アフリカ・リビアの最高指導者カダフィ大佐に「権力の即時放棄」を求める宣言を採択しました。宣言は、反カダフィ勢力の連合組織「国民評議会」を「政治的対話者とみなす」と表明。英仏両国は、条件付きで飛行禁止区域の設定や限定的空爆の実施を呼び掛けましたが、他の加盟国からは強い疑問が出され、宣言には盛り込まれせんでした。

 宣言は、「カダフィ政権はあらゆる正統性を失い、もはやEUの政治的対話者ではない」と言明し、「国民評議会」を「歓迎、奨励する」としました。同評議会をリビアの代表とは認めていませんが、今後の「立憲国家の建設と法の支配の発展」への支援を表明しました。

 またリビア情勢に関しアラブ連盟、アフリカ連合とEUが早期に首脳会議を開くことも呼び掛けました。

 宣言は、カダフィ軍による市民への攻撃の「即時停止」を要求。「必要性、法的根拠、地域の支持」があることを条件に「あらゆる必要な選択肢を検討する」としています。ただ飛行禁止区域の設定や限定的空爆などには直接言及しませんでした。

 会議に出席した外交官がメディアに語ったところによると、EUのアシュトン外交安全保障上級代表(外相)は、「市民を巻き添えにしかねない」として飛行禁止区域の設定に反対しました。ドイツのメルケル首相は会見で、「軍事行動には根本的に懐疑的だ」「地域機構の代わりに北大西洋条約機構(NATO)やEUが支配的役割を果たすのはよくない。(経済)制裁がわれわれの役割だ」と述べました。

 フランスのサルコジ大統領は会議前に記者団に、「英仏はカダフィ政権が化学兵器や空爆で市民を攻撃した場合、国連安保理の承認のもとカダフィ軍を空爆する選択肢がある」と述べていました。





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