2011年3月4日(金)「しんぶん赤旗」

大企業 利益剰余金、7兆円超増加

経常利益は大幅増も 賃金は微増


 財務省が3日発表した2010年10〜12月期の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業での利益剰余金は、286兆7274億円となりました。その約半分の143兆582億円を、資本金10億円以上の大企業が占め、1年間で7兆6561億円積み増しました。利益剰余金は、内部留保の主要な部分です。

 全規模でみると、売上高が348兆9443億円と前年同期比4・1%増にとどまる一方、経常利益は同27・3%増の13兆2114億円と大幅に増加しました。労働者の賃金は同2・0%増と伸び悩みました。

 設備投資は前年同期比3・8%増の9兆2412億円でした。2四半期連続の増加です。産業別では、製造業の情報通信機械が同53・1%増と目立っています。薄型テレビやスマートフォンの需要が高かったことが反映しています。

 売り上げが伸びにくいもとでも、人件費を抑制することで利益を確保し、内部留保を積み増す大企業の姿が浮かび上がっています。


 利益剰余金 企業の年々の利益を積み上げたものから、株主配当などで社外に出ていく部分を除いたものが内部留保です。このうち、営業活動を通じて蓄積されたものが利益剰余金。内部留保の大きな部分を占めています。

図




■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp