2011年3月1日(火)「しんぶん赤旗」

リビア首都に迫る

反政府勢力 西50キロの都市支配下に

東部では国民評議会設立


 【カイロ=伴安弘】リビアのカダフィ独裁政権の打倒を目指している反政府勢力は2月27日、首都トリポリの西50キロの都市アッザウィヤを支配下に置きました。

 現地からの報道によると、カダフィ政権側は、カダフィ軍側が支配していることを見せようと外国人記者をアッザウィヤに連れていきました。しかし記者団が見たのは市中心部でバリケードを築き、自分たちの旗を振っている反政府側の人たちでした。

 数百人の人々は中東全域で使われている「人民は政権の退陣を望んでいる」というスローガンを叫び、「これはわれわれの革命だ」と唱和しました。

 しかし、3日間のアッザウィヤの攻防では反政府側に24人の死者が出ました。カダフィ軍はロケット推進の手りゅう弾も使ったといいます。

 また、中東の衛星テレビ・アルジャジーラによると、リビア東部を支配下に置いた反政府勢力は27日、リビア国民評議会を設立しました。同評議会設立はリビア第2の都市ベンガジでの集会で宣言されました。

 集会後記者会見した同評議会の報道官アブドルハフィズ・ゴーカ氏は、評議会は暫定政府ではないとし、「主要な任務は革命の政治的な顔をもつことである」と表明。「われわれは、他の都市、とりわけ(首都)トリポリの解放を援助する。国民への支持を表明した国民軍を通じてそれをやりとげる」と述べました。

 26日にはムスタファ・アブドルジャリル前司法書記(法相)が暫定政府の樹立を宣言し、3カ月以内に総選挙を実施するとしています。いずれも「カダフィ後」をにらんだ動きが具体化したものですが、反政府勢力が足並みをそろえられるかどうかは不透明です。一方、カダフィ大佐はセルビアのテレビで、国連の対リビア制裁や戦争犯罪調査を非難。「リビアは安全だ。紛争はない」と述べながら、混乱は外国や国際テロリスト・アルカイダのせいだとして、反政府デモ参加者らをテロリスト呼ばわりしました。





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