2011年2月28日(月)「しんぶん赤旗」

米軍機騒音地域が拡大

沖縄 外来機次々、苦情が増


 民主党・菅内閣の閣僚が“沖縄詣で”を繰り返し、振興策や負担軽減策などの“アメ”で沖縄に米軍普天間基地の辺野古「移設」を押し付けようとしています。しかし、県民が切実に求める騒音被害の軽減すら実現していないのが実態です。


県は測定地点を増設へ

 北沢俊美・防衛相は1月の訪沖で、「移設」と「振興・負担軽減」を露骨にからめながら、嘉手納基地所属機や外来機の訓練移転に触れ、「間違いなく軽減は実現できる」と豪語しました。

 しかし、現実はまったく逆。沖縄県は毎年実施している航空機騒音測定について、来年度は測定地点を30カ所程度増やすことにしました。増加分は15カ所ずつ2回に分け各2カ月弱の計4カ月程度かけて測定します。

 米軍機を対象にした騒音測定はこれまで、米軍嘉手納基地周辺で15局、普天間基地で9局の計24カ所で実施していました(他に那覇空港周辺に4局)。新たに測定するのは、那覇、沖縄、浦添、うるま4市、西原町、北中城、中城両村と広範囲にわたります。

 「測定地点の増加は、那覇市、うるま市など、これまで苦情がなかった地域で、かなり増えていることを考慮してのこと」(県環境保全課)。苦情処理を担当する県基地対策課も「基地から離れた地域からの苦情も、今年は去年より確実に多い」といいます。

 うるま市基地対策課も、区長などへの聞き取りで「これまで嘉手納から金武湾にまっすぐ抜けていたものが、与勝方面に旋回するなど飛行ルートが変わった。住民の生活実感は“タテだった騒音がヨコの騒音になった”感じ」といいます。

 被害拡大の原因として、「外来機が無秩序に押し寄せ」(地元紙社説)るなど、米軍の勝手放題が指摘されています。

 米軍嘉手納基地に飛来した外来機は、嘉手納町が確認したものだけで、昨年12月はFA18スーパーホーネット36機、1月は最新鋭ステルス戦闘機F22A15機(配備4カ月間)、F16が12機、AV8Bハリアー8機、2月(22日まで)はF16が3機、FA18が20機、AV8Bが6機。

 この間、那覇市に寄せられた苦情は、昨年5、7、10、11月がそれぞれ1件だったものが、12月には8件に急増しました。1、2月は各2件。県基地対策課の調べでも、那覇市民からの苦情は08年1件から09年6件、昨年21件と大幅に増加しています。

表




■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp