2011年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

小沢氏処分

民主党 疑惑不問、幕引き図る


 民主党は22日の常任幹事会で小沢一郎元代表に対する「党員資格停止処分」を決めました。小沢氏の疑惑の核心を何ら究明することなく、国会での説明責任を果たさせることもなく、単なる党内の「処分」で幕引きをはかるものに他なりません。

 小沢氏の疑惑の核心は何か。それは、公共事業を受注するゼネコンから巨額の献金が同氏側に流れていたのではないかということです。必死の思いで生活をやりくりしながら納めた国民の税金が、政治家の食い物になったのではないかということです。

 21日の衆院予算委員会。日本共産党の笠井亮議員は、国土交通省直轄の胆沢(いさわ)ダム(岩手県)の二つの工事における談合疑惑を取り上げました。政府は、いずれの工事にも、小沢氏に1億円を献金した水谷建設が下請けに入っていること、同省による談合調査が不十分であり、さらなる調査が必要であることを認めました。

 まさに、国民生活に直結する重大疑惑です。にもかかわらず、小沢氏は22日、「私の主張」なる文書を発表し、「なぜ私だけがこのような処分を受けるのか」「引き続き民主党の国会議員として、『国民の生活が第一。』の政治を実現」するなどと、ただ開き直るだけでした。

 一方、かつて「(小沢氏の国会招致は)最終責任者として私が判断する」(昨年11月)としていた菅直人首相の姿勢は、結局どうなったか。

 再び21日の衆院予算委員会。10日に小沢氏と50分にわたって会談した首相に対し、笠井氏は胆沢ダム談合疑惑を示しつつ、「こうした疑惑も踏まえ、(小沢氏に国会での)説明を求めたのか」とただしました。しかし答弁は、「個別のそういう案件については触れていない。国会で一般的に説明することが必要だという趣旨のことを申し上げた」などというものでした。1時間近くもの間、いったい何を話していたのでしょうか。

 菅首相はこの日、証人喚問の実施についても、「どういう形で国会で説明されるかは、国会でお決めいただきたい」というだけ。首相としてのイニシアチブのかけらもありませんでした。

 首相は、「政治とカネ」の問題の根本にある企業・団体献金について、禁止の法案を今国会に提出すると述べ、「本気でやってまいる」(21日)と胸を張ります。しかし、焦眉の課題、小沢氏疑惑から逃げているのでは、「本気」が虚しく響くだけです。(林信誠)





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp