2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」

バーレーン

デモ弾圧に抗議広がる

死者5人 野党は議員辞職も


 【カイロ=小玉純一】バーレーンのハマル保健相は17日、首都マナマ中心部「真珠広場」にいた民主化要求デモ隊に対する同日未明の強制排除で、死者が3人、負傷者が231人に達したと発表しました。14日のデモ開始以来の死者は5人となりました。


 同国軍は同日、国営テレビでマナマの主要な部分を管理下に置いたと発表。軍は主な通りに戦車を配備、ヘリコプターを旋回させ、事実上マナマを封鎖しました。

 内務省は「治安維持のため軍があらゆる厳しい措置を取る」と強調。イスラム教シーア派系の野党ウェファクは強制排除に抗議し、下院(40議席)の同党所属議員18人全員が辞職することを決めました。

 中東のテレビ局アルジャジーラによると、負傷者が運ばれた病院に数百人がつめかけ、「犠牲者の死を無駄にしない」と民主化デモを続ける意思を示しました。

 デモが始まった14日は10年前、国民投票で「国民行動憲章」が制定された記念日。同憲章は国民議会を創設し、それが立憲君主制を定めた2002年憲法の公布につながりました。野党は国王による首相任命をやめ、選挙による選出を求めています。

 同国の非政府組織(NGO)「バーレーン人権センター」のラジャブ氏は14日、メディアで「われわれは政治参加の権利や人権の尊重、シーア派差別の停止を求めているだけだ」「もし政府が暴力に訴えるなら人々は体制変革を求めることになる」と警告しています。


 バーレーン ペルシャ湾岸にある立憲君主国。人口約80万人、面積は741平方キロで東京都の3分の1強、人口の60%がバーレーン人。イスラム教徒は全人口の8割で、うちスンニ派が3割、シーア派が7割です。1971年の独立以来、スンニ派のハリファ家が統治し、現首相は国王のおじです。





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