2011年2月15日(火)「しんぶん赤旗」

法務局登記関連事務の委託業者

年金保険料 偽る

井上議員が対処求める


 民間会社が本社所在地を偽って、法務省(局)の登記簿など証明書を発行する業務を受託していた問題で、新たに、契約社員の標準報酬月額を実際より低くして年金保険料の納付額をごまかしていた問題が明らかになりました。日本共産党の井上哲士議員が14日、参院決算委員会で取りあげたもの。厳正な対処を求める井上氏に対し、江田五月法務相は「間違いないよう対処したい」と答えました。


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(写真)質問する井上議員=14日、参院決算委員会

 問題の会社は、2006年から始まった「市場化テスト」=民間競争入札により、全国の法務局で登記関連事務を落札したATGカンパニー株式会社とグループ企業のアイエーカンパニー合資会社。

 井上氏が昨年11月、両社が、法人登記上の本店所在地に実在していない事実を追及。仙谷由人法務相(当時)は「徹底調査」を約束していました

 この日の質問で井上氏は、関東と関西の法務局でそれぞれ働く同社契約社員の給与が月約16万円であるのに対し、年金保険料の支払いベースとなる標準報酬月額はそれより低い9万8000円となっている事実を年金定期便や給与明細を示し告発。「年金保険料をごまかし企業負担を減らすやり方だ。法の支配をいう法務省の業務委託先で法違反が行われていたとしたら重大だ」とただしました。

 江田法務相は、「(登記上の住所に)事務所はなかった」と認めました。しかし、「しっかりした仕事をしていただいている」「届け出が虚偽か調べるのは困難」と弁明しました。

 井上氏は、「業務上の苦情も寄せられている。問題は(両社が)全国で同じ違法なやり方をし、他の保険制度でも行っている可能性があることだ。調査し、委託解除を含めた対応を取るべきだ」と迫ると、江田法相は「間違いないようただしたい」と答えました。


 標準報酬月額 厚生年金保険の保険料や年金額の算定基礎となるものです。被保険者である労働者の賃金をもとに、国が定める等級表にあてはめて決められます。現在、9万8000円から62万円まで30等級に区分されています。





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