2011年2月13日(日)「しんぶん赤旗」

米軍ヘリパッド工事続く

やんばるの自然脅かす

防衛局、住民威圧し強行

沖縄・東村高江


 米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)新設の是非が問題になっている沖縄県東村高江で今、住民の平穏な生活と貴重な動植物の生態を脅かす強引な工事が続いています。(青野 圭)


写真

(写真)土のうを運ぶ大型トラックに抗議の声をあげる住民ら=7日、沖縄県東村高江

 昨年12月22日、突然再開された工事は、同24日、今年1月11、17、26日、2月1、3、4、7、8、10日と執拗(しつよう)です。

 日も昇らない真っ暗ななかでの早朝工事、撤収と見せかけ別の場所での強行、大型トラックをガードレールに横づけし土のうを放り込む、県道いっぱいに広がって住民を威圧…など。「こんな人権無視のやり方が許されるのか」「危険だ」。無謀なやり方に、怒りが広がっています。

 「仕事への影響は大きいです。いつ“防衛局が来た”という連絡が入るか、いつも緊張しています。仕事にも集中できず、正直疲れます。それがネライなのでしょうが、これが国のやることかと情けないですね」と地元の伊佐真次さん(48)。

 建設予定地の「やんばる」は、亜熱帯の豊かな自然が広がり、ヤンバルクイナ、ノグチゲラなど貴重・希少な動植物の宝庫です。

 今でも米軍ヘリの騒音被害は深刻ですが、2012年にはヘリに代わり垂直離着陸機MVオスプレイの配備が決まっています。騒音のひどさと墜落の危険が米国内でも問題になっている代物です。

 話し合いを求めて、07年7月2日から1日も欠かさず監視・座り込みを続けている高江住民に対して、沖縄防衛局は「通行妨害」だとして申し立てや本裁判を起こしました。しかし、まともな証拠提出も陳述もできず、裁判長が釈明を求め、話し合いを促す異例の事態になっていますが、防衛局は裁判の最中に工事を強行することまでしました。

 今、高江には「やんばる」の自然に魅せられた若者、米軍基地の「移設」を許さない名護市辺野古のおじい、おばあをはじめ、県内外から人々が駆け付けています。

 伊佐さんはいいます。「全国のみなさんには、まずは、やんばるの自然に触れてほしい。そして何が起こっているか見てください」





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