2011年2月11日(金)「しんぶん赤旗」
エジプト スト全国化
交通・電力・鉄鋼…賃上げ要求
農村でも反政府デモ
【カイロ=伴安弘】カイロ中心部で反政府デモが続いているエジプトで、賃上げなどを求める労働者のストが9日、全国に広がりました。
ストは鉄道、バス、国営電力、スエズ運河のほか繊維、鉄鋼、飲料関係の会社など広範な部門で起きています。
ストが広がった背景には多くの労働者がこれまで低賃金だったことに加え、ムバラク大統領一家の資産が400億〜700億ドルに及ぶと報じられたことで、怒りが広がっていることがあります。
労働者からは「われわれはいつまで黙っていなければならないのか」という声が上がっているといいます。
一方、カイロでは市中心部のタハリール広場で16日目に入った反政府デモが9日には前日の議会前だけでなく、内閣府、保健省の建物前でも行われました。
議会前では2000人がムバラク大統領の即時辞任と議会解散を求めました。また、保健省前ではデモ参加者らが「ムバラクよ、700億ドルをどこで手に入れたのか。教えてくれ」と叫びました。
十数カ所の国立博物館の職員も古代遺跡最高会議前で賃上げを要求しました。
デモは農村部にも広がっています。南部アシュート州では農民中心のデモ隊8000人がパンの不足に抗議してバリケードを築き、街路樹のヤシに火をつけ、カイロに通じる鉄道と高速道路を封鎖しました。抗議した農民はタハリール広場の反政府デモ参加者への支持を表明したと伝えられています。
カイロ南西のハルガでは、州の警察長官の解任を求めるデモ隊数百人の一部が8日、同市の裁判所や警察署を襲撃し、これにたいする警官の発砲で2人が死亡し、9日にも3人が死亡しました。
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