2011年2月7日(月)「しんぶん赤旗」

エジプト

与党幹部入れ替え

ムバラク氏は辞任せず


 【カイロ=伴安弘】エジプトでは、ムバラク大統領の息子ガマル氏を含む与党・国民民主党の指導部が5日、辞任しました。エジプト国営テレビが報じました。反政府デモへの譲歩とみられていますが、同党の議長であるムバラク大統領は同職にとどまります。

 同テレビによると、国民民主党のシェリフ書記長とガマル氏を含む執行委員会メンバー全員が辞任。新書記長に内科医出身のホサム・バドラウィ氏が就きました。しかしカイロ中心部タハリール広場に陣取っている数万人のデモ参加者らは、ムバラク氏が大統領を辞任しない限り広場を離れないとしています。

 一方、識者や法律家からなる「賢人会議」は同日、スレイマン副大統領と会談しました。同氏に大統領の実質的権限を移譲する案について話し合ったとみられますが、同会議のアムル・ハムザウィ氏は会談が不調に終わったことを明らかにしました。

 ハムザウィ氏は「変革の支持者らを互いに争わせ、(政権の)生き残りをはかるために彼らの要求をばらばらにしようという狙いが政権側にはあるようだ」と指摘しました。

 ロイター通信によると、スレイマン氏はこの日、すべての反政府デモ・グループと野党各党に対し、憲法改正問題で協議したいと表明しました。

 しかし反政府デモを呼び掛けた青年の諸グループは明確に拒否。ムバラク氏が即時辞任し、憲法改正を行うまでの間、現政権に代わって幅広い勢力を基盤とする移行政権が必要だとしています。

 憲法改正は反政府デモの主要な要求の一つです。現憲法では大統領選出は人民議会(下院)議員による間接選挙で、立候補には国会議員や地方議員の250人の支持が必要。事実上、野党が締め出されているため、反政府勢力は改憲を求めています。

 4日夜にスレイマン氏に会った青年組織の代表は「スレイマン氏には(青年らの)要求を受け入れる姿勢はない」と述べています。





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