2011年2月6日(日)「しんぶん赤旗」

エジプト

大規模デモ続く


 【カイロ=伴安弘】ムバラク大統領の即時退陣を要求する4日のデモは、「100万人行進」と銘打った1日のデモにほぼ匹敵する規模になりました。大統領支持派による暴力への国民の怒りと警戒も反映したともみられています。米欧からは速やかな「政権移行」の圧力も強まっています。

 イスラム教の金曜礼拝後に始まった4日のデモは、カイロや第2の都市アレクサンドリアでそれぞれ数十万人の規模になりました。一方、大統領支持派のデモはカイロで数千人規模にとどまりました。

 カイロ中心部のタハリール広場では軍の戦車や装甲車が周辺を固め、大統領支持派の進入を阻止。同派の投石でけが人がでたものの、懸念された大規模衝突は避けられました。

 広場近くの建物には巨大な横断幕が掲げられ、(1)ムバラク(大統領)の退陣(2)議会の解散(3)自由(公正)に選出された議会による、大統領選挙に必要な憲法改正(4)民主的抗議者(デモ参加者)を襲った「殺害者」と不正・腐敗の関係者の即時訴追と裁判―の要求が示されました。

 この日のデモではエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長だけでなく、アラブ連盟の現職の事務局長アムル・ムーサ氏も姿を見せました。ムーサ氏はフランスのラジオ放送で次期大統領選挙への出馬の意向を示し、デモ参加者たちに政府との対話を呼びかけました。

 一方、政府は同日、前内閣のラシード通商産業相の資産凍結と海外渡航禁止措置をとり、不正・腐敗一掃への姿勢を示しました。シャフィク首相はその後もタハリール広場にとどまっているデモ参加者を力で排除することはないとも述べています。





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