2011年2月6日(日)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 昨年の12月、大阪市西区の区役所。「死ねっていうことか」と、鉄工所を営む吉田明美さん(44)=仮名=。「借りてきてでも払えということだ」と、区職員▼吉田さんは、不況で全額払えなくなった国民健康保険料を、分けて納めていました。区役所と相談の上でした。なのに区役所は、滞納分を納めないと財産を差し押さえる、といいだします▼そこで、「死ねっていうことか」の問答に。金融機関から経営のための資金を借りたばかりの吉田さん、また親せきや友人から借金を重ねざるをえなくなりました。本紙1月17日付に載った話です▼お金を借りるあてもない人には、「滞納分を払え」が「死ね」と等しい場合もあります。昨年3月の記憶がよみがえります。国会で「総理、みてください」と、国保料の督促状の束を示し迫る小池晃参院議員。仕事がうまくいかずに滞納し、みずから命を絶った、東京・板橋の若者の部屋に残されていた督促状でした▼学資保険まで差し押さえると通告し、“子どもを大学にやるな”といわんばかりの市もあります。高すぎる国保料。民主党政権の、“市町村は国保会計にお金を繰り入れるな”の通達が、保険料の引き上げ、取り立て、差し押さえをあおります▼菅首相は、「有言実行だ」と胸をはります。ならば、国保への国庫負担をふやす民主党の公約はもちろん、元旦の次の誓いもぜひ実行を。“国民皆が元気で暮らし「生きているといいことがある」と信じられる日本に向かって、歩み出したい”





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