2011年2月5日(土)「しんぶん赤旗」
空の安全 守り手に連帯
日航解雇撤回 女性・識者アピール
日本航空がパイロットと客室乗務員を整理解雇した問題で、4日、「日本航空の不当解雇撤回を求める女性アピール」を発表する記者会見がおこなわれ、また幅広い知識人・文化人8氏が「日本航空による不当解雇者を励ます会」への参加をよびかけるアピールを発表しました。
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女性200氏賛同
「日本航空の不当解雇撤回を求める女性アピール」は、浅倉むつ子氏(早稲田大学大学院教員)、江尻美穂子氏(津田塾大学名誉教授)、坂本福子氏(弁護士)、湯川れい子氏(音楽評論家)の4氏が呼びかけ人となり、2週間で第1次分200人の女性が賛同人として集まりました。発表記者会見が4日、東京都内で行われました。
同アピールは、「解雇を通告されたのは、かつての航空機事故の経験を胸に刻み、長年の経験と技術を蓄積してこれまで安全運航に寄与してきたベテランです。客室乗務員のほとんどは女性であり、子育てや介護を含む家庭責任と、乗客の安全を守る専門職とを両立させながら働き続けてきた人たちです」と強調。解雇は、空の安全と女性の働く権利を奪うものだと、撤回を訴えています。
会見には堀江ゆり日本婦人団体連合会会長、高田公子新日本婦人の会会長、日航キャビンクルーユニオンの内田妙子委員長が同席しました。
堀江氏は「このアピールを政府と日航本社に持って申し入れをしたい」と述べ、日航からは対応を検討すると言われていることを明らかにしました。賛同人は今後も募っていくとしています。
賛同人の一部を紹介します。(敬称略)
雨宮処凛(作家)、犬養智子(評論家)、大原穣子(方言指導)、亀田美佐子(バイオリニスト)、沢田亜矢子(女優)、宝井琴桜(講談師)、野瀬久美子(元国連総会政府代表代理)、坂東眞理子(農山漁村女性・生活活動支援協会会長)、堀内光子(文京学院大学特別招へい教授)、山下泰子(日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク代表世話人)
知識人ら8氏
知識人・文化人8氏がよびかけた「日本航空による不当解雇者を励ます会」への参加アピールは、日航が強行した整理解雇は、「解雇権の乱用」だと批判。
また公的な資金を投入して現在すすめられている再建計画は、「安全性」と「公共性」が後回しにされ、金融機関等のための利益確保が最優先ですすめられているとのべています。
日航の経営破たんの「原因と責任」は、ゆがんだ航空行政と同社の放漫経営にあると指摘。航空事業に携わる企業の最大の使命は、運航の安全確保であり、要員の質と数は、安全確保の観点からも十分に検討されなければならないと強調し、「励ます会」への参加をよびかけています。
よびかけ人は伊藤真(弁護士)、江尻美穂子(津田塾大学名誉教授)、奥平康弘(東大名誉教授)、坂本福子(弁護士)、品川正治(国際開発センター会長)、醍醐(だいご)聰(さとし)(東大名誉教授)、宮里邦雄(日本労働弁護団会長)、萬井(よろい)隆令(たかよし)(龍谷大学教授)の各氏です(50音順)。
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