2011年2月2日(水)「しんぶん赤旗」

エジプト野党系紙 「自由な選挙 即時に」

ムバラク氏の不出馬要求


 【カイロ=伴安弘】ムバラク大統領の退陣を求めるデモについてエジプトの新聞の論調は完全に二つに分かれています。野党や反政府系の新聞はデモを支持し、ムバラク氏の退陣、真の民主的改革を求めているのに対し、政府系の新聞はデモによって生じた混乱の解決を求めています。

 野党ワフド党の新聞「ワフド新聞」(30日付)は、「現在の状況を解決する唯一の道はムバラク大統領が辞任することだ」と強調。同氏の「30年の体制は独裁の下での不正・腐敗の体制」であり、「教育も医療も悪化し、農産物・工業製品の値上がりが続いた」と指摘しています。

 そして、ムバラク氏に対し、(1)(政権党)国民民主党議長の辞任(2)議会の解散(3)内閣総辞職(4)自由な選挙の即時実施と、それまでの期間の暫定国民内閣の樹立(5)ムバラク氏が次期大統領選に立候補しないこと(6)市民国家形成のための憲法改定を準備する法律家、国会議員からなる委員会の設置など―を求めています。

 一方、政府系のアルアハラム紙(31日付)社説は、デモ参加者を「破壊者」と呼び、「カイロに火をつけたままにする破壊者の声明に従うなら、エジプト人は歴史的に最大の間違いを犯すことになる」と述べ、「エジプトの安全を最優先にしなければならない」と強調しています。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp