2011年1月31日(月)「しんぶん赤旗」

主張

小沢氏強制起訴へ

国会での解明はいよいよ重要


 自らの資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり政治資金収支報告書の届け出を偽った疑いで、民主党元代表の小沢一郎氏が起訴される見通しとなりました。国民が参加する検察審査会での2回にわたる議決にもとづくものです。

 小沢氏が司法の場で裁かれるのは当然です。同時に、国会での真相解明と政治的道義的責任の追及がいよいよ重要です。国会での説明を拒み続けてきた小沢氏自身と、政治倫理審査会での弁明でお茶をにごそうとし、国会での証人喚問に背を向け続けてきた、民主党の責任は重大です。

秘書任せは通用しない

 この問題での小沢氏の態度は“不誠実”の一語につきます。

 「陸山会」が2004年に東京・世田谷区内の土地を約4億円で購入したのをめぐり、現職の国会議員を含む小沢氏の元秘書ら3人が、政治資金収支報告書の届け出を偽った政治資金規正法違反の疑いで逮捕されたのは昨年初めです。容疑は、実際には小沢氏の資金で購入したのに、銀行からの借り入れを装ったり、取引の時期をごまかしたりして、正しく報告しなかったというものです。

 小沢氏は、自らの資金管理団体にかかわる問題なのに、1回も国会で疑惑を説明したことがありません。疑惑を抱かれたら、すすんで国民の前で説明するという、国会議員として当然の責任に反するものです。

 小沢氏が、形式的なミスだとか、会計を担当した秘書の責任だなどと言い逃れ続けたのは見苦しい限りです。たとえ秘書がやったことでも政治家の責任が問われるのは当然です。当時小沢氏は民主党の幹事長で、その後辞任しましたが、党内の役職は辞めても、国会議員としての責任は免れません。

 検察は小沢氏を「嫌疑不十分」として起訴しませんでしたが、国民が参加する検察審査会が昨年4月と9月、「起訴すべき」だと議決したのは、国民の立場に立てば当たり前です。にもかかわらず小沢氏はこの決定に対しても異議を申し立て裁判所に却下されるという悪あがきぶりを見せました。

 小沢氏の土地取引に関連して逮捕された元秘書の公判も2月はじめから始まりますが、なぜ政治資金収支報告書を偽ったのかの疑惑を解明するうえで、欠かせないのが4億円もの購入資金の出所です。銀行からの借り入れという説明が通用しなくなると、小沢氏の説明は、政治資金をためたとか、家族の蓄えだとか、二転三転しました。

 実際には、公共事業の発注に絡む建設会社からの裏献金が含まれていたのではないか。これこそ疑惑の核心です。これからの裁判でも国会でも、徹底して真相解明のメスを入れる必要があります。

司法と国会は車の両輪

 裁判での司法の責任追及と、国会での政治的道義的責任の追及が車の両輪であるのは自明のことです。小沢氏は、裁判を理由に国会での真相の解明と責任の追及を免れようとしてきましたが、国会議員である以上、それは絶対に許されることではありません。

 政治倫理審査会での弁明さえ受け入れない小沢氏の疑惑の解明には、証言に強制力がある証人喚問しかありません。証人喚問を認めなければ、民主党自身へのいっそうの批判も免れません。





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