2011年1月30日(日)「しんぶん赤旗」

第3回職場問題学習・交流講座(自治体)

職場(労働)対策委員会 山下芳生責任者の報告


 29日、党本部で始まった日本共産党の第3回職場問題学習・交流講座(自治体)で、山下芳生職場(労働)対策委員会責任者がおこなった報告(要旨)を紹介します。


写真

(写真)報告する山下芳生氏=29日、党本部

 はじめに山下氏は、この講座を準備するための全国各地の調査で感じたこととして3点あげました。(1)自治体労働者が「住民全体の奉仕者」として住民の福祉と暮らしを直接支えており、党支部と党員が先頭に立って奮闘している姿があること、(2)「地方分権」の名で「住民福祉の機関」としての自治体の機能が破壊されつつあり、労働条件の悪化とともに、「住民のために仕事がしたい」という願いが押さえつけられていること、(3)これまで2回の「職場講座」にもとづく実践で、党づくりの前進の芽が生まれているものの、党組織の多くが共通した悩みをかかえていること、です。

 そして、前進の芽から教訓を学びあい、共通してぶつかっている問題、悩みを打開する道を探求することが今回の講座の目的だとのべました。

仕事と運動の問題――「住民のために仕事がしたい」という要求に依拠して

 山下氏は、仕事と運動の問題にふれて、各地の自治体職場でのとりくみの経験から学んだこととして、「住民のためにしっかりした仕事をしたい」という労働者の要求に依拠して運動しているところで前進の芽が生まれていると指摘し、「この一番の要求に応えることが前進のカギになる」とのべました。

 このなかで千葉県の市役所や保育の職場で、「仕事を知りたい」という若手職員の声に応えて、セミナーやサークル活動にとりくみたくさんの人が参加し喜ばれた事例を紹介しました。

 また格差と貧困問題を正面からとりあげ、「地域の実態を体で感じよう」「カウンターを越えて市民のなかに」と中小企業訪問、派遣切りにあった人やホームレスなどの人たちの相談・支援にとりくんだ名古屋市や京都市での活動、さらに自治体職場に広がる非正規労働者の雇用の安定と均等待遇の実現をめざす各地の運動を紹介しました。

 こうした事例を報告して、激しい自治体攻撃、公務員攻撃のもとでも「住民のためにしっかりした仕事がしたい」という自治体労働者の要求に依拠してたたかうなら前進できるというのが、全国の経験から学んだ大きな教訓だとのべました。

 同時に、調査のなかで、自治体職場での運動を前進させるうえで共通してぶつかっている問題、悩みも寄せられたと言及。「いい仕事がしたい」という自覚をもちながらも住民いじめの悪政の執行者の役割を担わされる矛盾、激しい公務員攻撃のなかでどう活動したらいいか、本庁職場での運動をどう前進させるかなどの問題をとりあげ、すすんだ経験を紹介しつつ、「大いに議論してほしい」と呼びかけました。

党づくり―ここでも要求を基礎にした結びつきが大切      

 山下氏は、つづいて党づくりの問題について報告しました。

 このなかで第1回「講座」や第2回中央委員会総会で強調している労働者との日常的な結びつきを強めるために、自治体職場の場合、やはり「住民のためにいい仕事がしたい」という要求を基礎にすることで結びつきが深まり、信頼関係が生まれているのが特徴だとのべました。

 そしてすすんでいる職場の共通した教訓は、「仕事でも組合活動でも、信頼できる人は日本共産党員だった」ということだとのべ、自治体職場の党員の多くはそういう立場で奮闘し、信頼されており、そのことに確信をもって職場の労働者に働きかけようと呼びかけました。

 職場での結びつきを「党員としてのつながり」に変えるためには意識的な努力が必要だとのべ、その土台は綱領的・世界観的確信を党員みんなのものにすることにあるとして、「綱領・古典の連続教室」が職場支部でも歓迎され、党活動前進の力になっているとのべました。また青年労働者を党と民青同盟に結集する新しい条件と可能性が生まれていることに注目した活動の強化を求めました。

 党づくりで、探求すべき問題、解決すべき大事な問題として、「組合活動に手がとられ、党活動ができない」などが共通した悩みになっていることに言及し、打開のカギの一つとして支部会議の定期開催の重要性を強調しました。困難をかかえている職場支部を親身になって援助する党機関の役割が大事だと強調しました。

いっせい地方選挙にむけて総決起しよう      

 山下氏は最後に、いっせい地方選挙勝利にむけた活動にふれ、前半戦の道府県議選、政令市議選告示まで62日、選挙勝利を真正面にすえて党活動の大飛躍を呼びかけました。

 このなかで民主党政権が推進しようとしている「地域主権改革」は、自公政権がすすめてきた「地方切り捨て」政治を加速させるものにほかならないことなどを指摘。いっせい地方選挙は「自治体が自治体でなくなる」ことを許すかどうかが問われる選挙であり、自治体労働者にとって文字通り「存在意義がかかったたたかいだ」と強調し、2中総と講座を力に選挙勝利と職場の党づくりのために総決起しようとよびかけました。





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