2011年1月28日(金)「しんぶん赤旗」

主張

志位委員長代表質問

「閉塞」打破する展望見えた


 通常国会での菅直人首相の施政方針演説に対する、衆参両院本会議での各党の代表質問がおこなわれています。

 日本共産党の志位和夫委員長が衆院で取り上げたのは、経済危機の打開、環太平洋連携協定(TPP)への参加、社会保障と税の問題、米軍基地と日本外交など、当面する国政の基本問題です。問題点をただすとともに、閉塞(へいそく)状況を打ち破る方策を示しました。TPP参加や消費税増税を求めた菅首相はもとより、民主党政権の「お手並み拝見」(谷垣禎一自民党総裁)というだけの他の政党とも対照的でした。

民主党政権に幻滅と怒り

 日本の政治・社会が閉塞状況を深めており、政権交代から1年半近くたった民主党政権が打開の見通しを示していないことに、国民が失望と幻滅を深め、怒りを高めているのは明らかです。

 日本経済はこの10年以上ほとんど成長が止まった状態で、働く人の年収は12年間で61万円も減少、国民の貧困と格差は拡大し、大企業だけは利益も内部留保も増やしているありさまです。志位委員長はこんな異常な「賃下げ社会」でいいのかと問いかけ、正社員を増やすこと、最低賃金の大幅引き上げ、中小企業への支援、違法な解雇を規制するなど、賃上げをすすめる政策を「ワンパッケージ」で実行に移すよう求めました。

 志位氏が「整理解雇の4要件」に反していると追及した日本航空の「整理解雇」に対してさえ、菅首相は企業の再生や裁判を理由に「やめさせる」と明言しません。この政権に異常を正す立場がないことの証明です。

 菅首相が6月までに参加の結論を出すというTPPも、日本の農業と経済を破壊して自給率を低下させ、経済主権をいま以上にアメリカにゆだねることになる、危険なものです。志位委員長は、「亡国」と「売国」のTPP参加に反対するとともに、「食料主権」にもとづく貿易ルールを確立するよう求めました。そうしてこそ、日本農業も再生できるのは明らかです。

 菅首相が6月までに結論を出すといっているもうひとつの問題、社会保障と税の「一体改革」でも、民主党政権が公約違反の社会保障破壊を続け、財源がないといいながら大企業には減税のバラまきをおこなうのでは、国民に安心と展望をもたらすことはできません。志位委員長が求めたように、社会保障を削減から拡充に転じ、大企業・大資産家への行きすぎた減税を正して応分の負担を求めてこそ、社会保障と税の改革が実行できます。こうした方向に閉塞を打開する方途があるのは明らかです。

政治の異常正してこそ

 政治や社会が行き詰まり、国民に先の見えない閉塞感が広がっているのは、ほんとうに打つ手がないからではありません。志位委員長が示したように方策はあります。大切なのは、長年にわたって自民党の政治が続け、民主党政権になっても変えようとしていない、アメリカいいなり、財界・大企業本位の異常を正すかどうかです。

 自民党政治を追認する民主党や過去の枠組みを抜け出せない自民党では、悪政を競い合うだけで閉塞を打開することはできません。異常な政治を打ち破ることを訴える日本共産党と閉塞に立ち向かう国民のたたかいこそが出番です。





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