2011年1月23日(日)「しんぶん赤旗」

英イラク参戦強行 再審問

ブレア氏、またも「侵攻は正当」

遺憾表明 遺族「遅すぎる」


 【ロンドン=小玉純一】米国ブッシュ政権とともに2003年にイラク侵攻を強行した英国のブレア元首相は21日、同国のイラク参戦を検証する調査委員会の公聴会で、昨年1月に続き2度目の審問を受けました。同氏は、多くの死者が出たことを「遺憾だ」と述べた一方で、イラクのフセイン政権の脅威を強調して侵攻を改めて正当化しました。

 ブレア氏は、1年前の前回の審問での発言が「『人命損失を後悔していない』と受け取られたことは私の意図と違う」と陳述。続けて英国と同盟国軍兵士や民間人、イラクの人々の「人命が失われたことを心から遺憾に思う」と述べると、傍聴席の英兵遺族から「遅すぎる」と声が上がりました。ブレア氏は前回、審問の最後に「後悔はないか」と問われ、「責任は感じるがフセイン政権打倒に後悔は無い」と述べていました。

 ブレア氏は今回の審問で、01年9月11日の米同時テロ以後の脅威を口実にイラク侵攻を正当化。侵攻前年の夏の時点でブッシュ米大統領に対し「われわれを当てにしてよい。困難はあるが」と述べ、侵攻の際の対米協力を事実上約束したことや、追加の国連安保理決議が必要だという英国の法務長官の助言を採用しなかったことを明らかにしました。

 英紙インディペンデントによると、ブレア氏は審問後、傍聴席の遺族をいちべつもせず出口に向かいました。

 英兵遺族のローズ・ジェントルさんは「あなたの嘘が私の息子を殺した」と叫び、遺族のレッグ・キーさんは「ブレアはアルカイダと9・11テロを非難しようとしたが、イラクが無関係だったことはだれもが知っている」と話しました。

 ブレア氏は審問のなかで、イランの脅威とそれに対応する軍事力が必要という持論を述べました。





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