2011年1月22日(土)「しんぶん赤旗」

思いやり予算 5年間 年1900億円規模

日米が署名 米軍機訓練移転費も


 前原誠司外相とルース駐日米大使は21日、2011年度からの在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する特別協定に署名しました。今年3月に期限切れの現行協定にかわるもので、現行の3年の期限を5年(2015年度まで)に延長。米軍基地労働者の給与や基地・施設光熱費など年間約1900億円規模の税金が引き続き支払われることになります。新協定はまた、グアムをはじめ米軍機の米国領域への訓練移転費用も日本が負担することが新たにうたわれました。

 外務省で行われた署名式で、ルース大使は「ホスト国支援(思いやり予算)は日米同盟への日本の決定的な貢献の一つ。日本と地域の防衛で重要な役割を果たしている」と指摘。前原外相は「互いの戦略的観点に基づいたものだと宣言したい」と発言しました。

 経費負担の内訳は、米軍基地で働く労働者約2万3000人の基本給や各手当、年間249億円を上限にした電気、ガス、上下水道代で、現行水準を維持しています。

 協定はさらに、米国領域への米軍訓練場所の変更を行う場合、「その変更にともなって追加的に必要となる経費の全部または一部を負担する」と定め、20日に日米合同委員会が合意した、沖縄・嘉手納基地のF15戦闘機のグアム訓練移転、三沢(青森県)・岩国(山口県)両基地所属機の訓練移転などの費用を日本側負担とすることを盛り込みました。

 署名にあたって外務省は、「思いやり予算」の額について「現在の水準(2010年度1881億円を目安)で維持」するとしていますが、協定とともに交わされた往復書簡では、対象となる労働者数や光熱費の上限についてはふれているものの、予算総額は示されていません。

 特別協定は24日召集の通常国会での承認が必要。政府は3月末までの承認をめざします。


 「思いやり予算」 日米地位協定上、日本が支払う義務のない米軍への負担です。1978年度に始まり、基地従業員の給与や基地内施設の水光熱費、基地建設費などを負担しています。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp