2011年1月20日(木)「しんぶん赤旗」

“副作用死は無念”

薬害イレッサ 国は和解テーブルに

原告・弁護団 国会内で集会

田村議員あいさつ


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(写真)涙をぬぐう原告の近澤昭雄さん(左から2人目)とあいさつする田村智子参院議員(右端)=19日、国会内

 薬害イレッサ訴訟全国原告団・弁護団は19日、東京・永田町の国会内で「全面解決をめざす院内集会」を開きました。参加者は、東京、大阪両地裁の「和解勧告及び所見」を受けて、被告の国と輸入販売元のアストラゼネカ社に和解協議のテーブルに着くよう迫りました。

 原告団代表の近澤昭雄さんは「提訴から7年になります。一刻も早い解決を求めます」とあいさつ。弁護団副代表の水口真寿美弁護士は「薬害事件で国が和解のテーブルに着かなかったことは1回もありません」とのべ、「情報提供が不十分だったということで国と企業の責任を認めたことは大変画期的な所見です。所見を生かして同じ立場の被害者全員救済と再発防止に役立てたい」と所見の意義を強調しました。

 支援に駆けつけた薬害肝炎訴訟原告団代表の山口美智子さんは「国は所見について『薬事行政の根幹にかかわる』などとコメントしています。子どもの言い訳のようです。薬害被害者の正念場です。黙っているわけにはいきません」と連帯のあいさつをしました。

 がん患者からも「私たちも副作用で死ぬのは大変無念に思います」「国は私たちを対立軸にさせようとしている。私たちは有効で安全な抗がん剤を求めているのです」と今回の所見を歓迎する声が出されました。

 協立医師協同組合専務理事で薬剤師の小池盛明さんは所見について「医師や患者に説明する添付文書は安全性確保に実効性ある文書でなければならないとして、国と企業の責任を認めたもので現場の薬剤師にとっても意義があります。不十分だと実際に処方されてしまう。踏み込んで言ってくれた」と評価していました。

 日本共産党の田村智子参院議員が激励のあいさつをしました。





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