2011年1月20日(木)「しんぶん赤旗」

整理解雇撤回求め提訴

日航パイロット・客室乗務員146人

「4要件」守らず 安全軽視

東京地裁


 日本航空を昨年末に解雇されたパイロット74人と客室乗務員72人の146人は19日、解雇は「整理解雇の4要件」を満たしておらず無効だとして、原職復帰を求め、東京地裁に提訴しました。


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(写真)日航による整理解雇の撤回を求めて提訴した労働者たち=19日、東京地裁前

 昨年12月末に日航を解雇となったパイロット81人と客室乗務員84人の165人のうち、88%が原告団に加わりました。東京地裁前には、原告団と支援者260人が参加。パイロットは模擬制服、客室乗務員は「沈まぬ太陽」をイメージしたオレンジのスカーフをまいて、労働者の権利を守り、安全最優先の日航再生を実現しようと宣伝しました。

 提訴後、都内でおこなわれた記者会見で、近村一也航空労組連絡会議長は、「更生会社は4要件を守らなくてもよいといわんばかりで、許しがたい。安全を支えてきた人を解雇し、安全文化を根底から覆すのか」と語りました。

 パイロットの山口宏弥原告団長は、「米国の圧力で、日航に113機のジャンボ機を買わせ、採算のとれない地方空港を乱造した国の責任を不問にしていいのか。日航は労働者をコストでしか考えず、安全や技術を軽視している」と訴えました。

 客室乗務員の内田妙子原告団長(日航キャビンクルーユニオン=CCU委員長)は、「原告団に参加できなかった人の思いも含めてたたかっていく」と表明。客室乗務員の原告には、JAL労組の組合員として解雇された2人(現在はCCU加入)も参加していることを報告しました。

 日航の人員削減は、会社本体の目標1500人に対し、すでに1700人が希望退職に応募。営業利益も当初年間目標の250億円に対し、昨年4月〜11月に1460億円も収益を出しています。解雇の人選基準も、経験豊かなベテランや、航空身体検査など安全のため休職した人たちを対象とするなど不合理なものです。

 訴状ではこうした問題点を指摘し、整理解雇という強硬手段をとってまで人員削減をしなければならない理由は存在しないと主張。会社更生中の整理解雇であっても「4要件」を満たす必要があることを強調しています。





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