2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 1999年末のことです。給与をもらって民間会社で働く人は、5252万5千人でした▼みんなに支払われた給与の総額は、217兆4867億円。1人あたり414万0632円となります。さて、10年後の2009年末です。給与所得者は5388万4千人に。135万9千人ふえています▼ところが、支払われた給与の総額は192兆4742億円。逆に、25兆0125億円減っています。1人あたりで、56万8622円減の357万2010円です。以上は、国税庁が毎年実施している調査から▼もちろん、一人ひとりの働く人や一つひとつの会社の事情はぬきの数字です。かりに、給与の総額を25兆円ふやし、1999年末の水準に戻せば、1人あたりの給与は403万円あまりに。頭数が多くなっている分、10年前におよびませんが、46万円ほどふえます▼ここで人々が、ふえた25兆円の6割を外で使うとすれば、15兆円が消費に回り経済を元気づけます。税金もよけい国に入るでしょう。というのも、同じ10年間に、給与から天引きされた所得税は、減収のあおりで2兆円以上落ち込んでいたのですから▼給与や税金と反対に右肩上がりにふえ続けた、企業の内部留保を賃上げに生かす。25兆円なら、資本金10億円以上の企業が07年度から09年度に積み増した内部留保、37兆円より少ない。使い道がない蓄えを取り崩して、なにか不都合があるでしょうか。大ざっぱな計算からも、世にいう閉塞感からの出口の一つがみえてきます。





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