2011年1月7日(金)「しんぶん赤旗」

米軍 水域越え爆撃訓練計画

操業できず 漁民らの怒り広がる

赤嶺議員が抗議


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(写真)沖縄県漁連の國吉会長(左)から実態を聞く赤嶺衆院議員=6日、那覇市

 米軍の空母打撃群が5日から15日まで、沖縄周辺海域と九州南西海域で順次実施している爆撃訓練が当初、訓練水域を越えて計画され、漁業関係者らの抗議が広がっています。昨年12月の日米共同統合演習も訓練水域を越えていました。

 訓練水域の一帯は沖縄漁業の主力、マグロとソデイカの好漁場です。沖縄の漁業関係者は訓練水域に立ち入れず、日常的に被害を強いられてきました。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が6日、沖縄県漁連の國吉眞孝会長や外務省の樽井澄夫・沖縄担当大使、沖縄防衛局、県担当者らから事情を聞きました。

 爆撃訓練について國吉会長は「一昨日、県から連絡を受けた。県や防衛局から詳しい情報が入らず、さっぱり分からない。沖縄の負担の縮小どころではない。拡大しそうな感じ」と、まともな事前連絡がなかったことを明らかにしました。

 國吉会長は「せめて訓練は区域内で、通知は協定にある15日前、最低でも1週間前にほしい」といいます。

 樽井担当大使は今回の爆撃訓練について「手続き的には瑕疵(かし)はない」、防衛局は“公海上は自由”と答えました。

 赤嶺議員は「昨年の日米合意は、沖縄の負担軽減に努めるとしたが、実態は逆。訓練水域からはみ出し好漁場で勝手放題。こんな横暴は許せない」と怒ります。


解説

「沖縄の負担軽減」に逆行

 今回の事態は昨年5月28日の日米合意で喧伝(けんでん)した「沖縄の負担軽減」に逆行するものです。

 日米合意では、負担軽減の「具体的な措置」として、「ホテル・ホテル訓練区域」とまで明記しました。「負担軽減」の目玉政策として訓練区域の縮小をいいながら、実際には軍事訓練を区域外に拡大したのです。12月の日米共同統合訓練は沖縄全域で強行されました。今回の爆撃訓練は本国の空母打撃群まで使い、陸だけでなく海でも負担強化を強いるものです。

 12月の統合演習は「掃海訓練は浅瀬が効率的」だとして魚が群れる浮漁礁(パヤオ)近くで行われました。訓練水域での勝手放題に、日本政府は「瑕疵はない」と米軍の主張を繰り返すだけです。(青野圭)





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