2011年1月3日(月)「しんぶん赤旗」

ブラジル新大統領が就任式

同時報告 日本共産党副委員長 緒方靖夫

「変革さらに」


 ブラジルの首都ブラジリアで1日、ジルマ・ルセフ新大統領の就任式が行われ、ルラ大統領から政権が移譲されました。式典には、中南米はじめ各国政府代表が出席。日本からは首相特使の麻生元首相、米国からはクリントン国務長官が参加し、私たちは日本共産党代表として、すべての日程に参加しています。


 ルセフ氏は、国会で宣誓し、その後、45分間にわたり就任演説を行いました。「ブラジルはルラ政権のもとで変革をとげ、さらにそれを前進させるのが私の使命だ。国民がよりよい暮らしと平等な機会をもてる国づくりをしよう」と国民に団結を呼びかけました。

 とりわけ「私は断固として、極貧層の根絶のためにたたかう」と述べ、保健と教育、安全の確保を掲げました。

 ルセフ氏は国会からパレードし、大統領府でルラ氏に迎えられ、大統領職を引き継ぎました。閣僚の任命を行い、発足した新政権は37閣僚のなかで15人が留任、女性閣僚が前政権の3倍の9人となりました。

志位委員長の祝意新大統領に伝える

 夜には祝賀レセプションが行われました。私はルセフ新大統領にあいさつし、直接、日本共産党の志位和夫委員長からの祝意を伝えました。ルセフ氏は「感謝します」「遠路はるばるありがとう」と述べ、「日本から! ベリー・グッド(すばらしい)」と握手の手をさらに強く握りました。軍政時代に投獄され、拷問を受けた女性闘士として紹介される大統領ですが、その手は温かく、柔らかでした。

 またエリアス副大統領ともしばらく懇談しました。「全国民が、新年とともに新政権の発足を祝っています。式典の成功を心から祝福します」と私が述べると、かえってきた握手の手はゴツゴツしています。

国民に支えられた就任式

 大みそかから踊り明かした人を含め、数万人が三権広場に集結。労働党の赤旗と緑と黄の国旗が揺れ続ける―原色が似合う国です。振り上げる腕の色は、黒、白、褐色とさまざまです。ブラジルには先住民、白人、黒人、800万のアラブ人、アジア人などが混在しています。ルセフ氏の父親もブルガリア移民。国民の支えが実感されます。


ブラジル大統領就任にあたっての志位委員長の祝辞

 日本共産党の志位和夫委員長が1日、ブラジルのジルマ・ルセフ新大統領に伝えた祝意のメッセージは次の通り。


 ブラジル連邦共和国大統領
 ジルマ・ルセフ様

 あなたが第36代ブラジル連邦共和国大統領に就任するにあたって、心からのお祝いと連帯のあいさつを申し上げます。

 「ブラジルは変わり続ける」というあなたの訴えは、新しい社会を求める人々の共感をよんでいます。国際政治の場で新興国と途上国がいっそう重要な位置を占めるなかで、平和の問題や国際経済の分野で果たしているブラジルの大きな役割に、世界は注目しています。

 ブラジル初の女性大統領としてあなたが率いる新しい政権が、ルラ前政権の取り組みを発展させ、貧困一掃をはじめとする国民生活の向上、民主主義の強化などの政治改革、主権の平等、紛争の平和的解決など国連憲章の原則に基づく民主的な国際政治・経済秩序づくりをめざすうえで、さらなる成果を収めるよう願っています。

 私たちは、長い歴史を持つ日本とブラジル両国民の交流がさらに発展することに力を尽くすとともに、核兵器廃絶をはじめとする世界平和の取り組みや社会進歩のための共通の課題をつうじて、わが党と貴国政府との友好関係が前進することを希望します。

2011年1月1日、東京

 日本共産党中央委員会
 幹部会委員長
 志位和夫





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