2010年12月27日(月)「しんぶん赤旗」

対ロ戦術核削減交渉を検討

オバマ氏、来年にも開始

米紙報道


 【ワシントン=小林俊哉】米紙ニューヨーク・タイムズは25日付で、オバマ米大統領がロシアと来年、射程の短い戦術核兵器の削減についての交渉開始を検討していると報道しました。

 米ロ両国間の核軍縮交渉では、射程の長い戦略核削減のための新条約(新START)が米上院で22日に批准されたばかりです。ロシア下院も早いうちに批准する見通しです。しかし、戦術核の削減を規定した米ロ条約はいまだありません。

 同紙によれば、米国は約500の戦術核を保有し、そのうち180をベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコに配備しているといいます。一方、ロシア側の戦術核保有は3000〜5000といわれ、北大西洋条約機構(NATO)の動向に対応して、対欧州配備シフトをしいているといわれます。

 米国の識者からは、新START調印に至った良好な両国関係を活用して、戦術核削減に向けた議論に踏み込むべきだとの声が相次いでいました。米議会で新STARTの批准に難色を示していた野党・共和党も、保有数でロシアに劣る戦術核の削減交渉については前向きだとされます。

 欧州には、配備された米国の戦術核の撤去を求める声も強くあります。11月にNATO首脳会議が採択した「新戦略概念」では、「世界に核兵器が存在する限り、NATOは核兵器同盟であり続ける」としつつ、欧州配備核について、ロシアの核兵器との均衡などを考慮しつつ、ロシアとの協議を追求するとしていました。





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