2010年12月18日(土)「しんぶん赤旗」

米軍 アフガン撤退過程

7月開始 変わらず

米大統領 戦略検証報告を公表


 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は16日、駐留米軍3万人増派を柱とするアフガニスタン戦略を検証した報告の概要を公表、来年7月に米軍の撤退過程を開始する方針に変更はないとする声明を発表しました。


 同概要は、米軍の活動によって、パキスタンを拠点とする国際テロ組織アルカイダの指導部を弱体化させ、アフガン内の反政府勢力タリバンの勢いをそいでいるとして、作戦に「成果」が出ていると強調。アフガン国軍の育成を急ぐなかで、来年7月の米軍兵力削減に向け、「条件をつくりつつある」としています。しかし一方で「治安改善の成果はもろく、覆される恐れもある」と指摘しています。

 報告は、2014年までにアフガン政府に対する治安権限移譲を完了するとした北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での合意も、戦略目標の一つとして確認しています。

 オバマ氏は発表に当たって、アフガン戦争の最終目標は「アフガン、パキスタンでのアルカイダの一掃」だとし、アフガンの国づくりや国全体の治安維持などは、基本的にアフガン政府の責任だとの姿勢を鮮明にしました。

 報告は、米国内の世論がアフガン戦争に背を向けつつある中、オバマ政権として“出口”に向けた一定の見通しを示そうとしたものとみられます。ただ、撤退規模、ペース、どの地域からの撤退なのかなど、実際の撤退過程の開始に向けた重要決定については、先送りしたままになりました。

 同日、ゲーツ米国防長官は記者会見で、撤退過程の規模やペースについては「状況次第だ」と改めて表明しました。





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