2010年12月15日(水)「しんぶん赤旗」

オフィス家具疑惑 空自談合 75億円全て認定

311件 大半が予算流用

防衛省検討委調査報告書 選定段階から関与


 航空自衛隊発注のオフィス家具をめぐる官製談合で、公正取引委員会の改善措置要求を受け防衛省が設置した調査・検討委員会(委員長・広田一政務官)は14日、調査報告書を公表しました。空自の車両や一般器材を調達する第1補給処が2005〜08年度に調達したオフィス家具計311件、75億6300万円の契約は全てが談合によるもので、しかもその大半が他の目的の違う予算を流用し、購入費用に充てていました。


 報告書によると、目的外予算を流用して購入したオフィス家具は216件、約60億円にのぼります。これらは通信維持費、航空機修理費などが使われていました。

 空自では04年度以前から、年度末に生じた余剰予算を、第1補給処が扱う一般市販品の調達で消化する方法が常態化。退職自衛官らが勤務する「OB在籍会社」や無理な要求に応じてくれる「しがらみ会社」と随意契約を結んでいました。

 しかし、こうした調達方法や随意契約が難しくなったため、05年度から一般競争入札の方法などについて検討を開始。「OB在籍会社」など、配慮すべき会社別の調達要求目標の一覧表を使った調達段階から官製談合が始まったとしています。

 報告書では「本件は、入札・契約段階ではなく、品目の選定とも言える調達要求の段階において入札談合等関与行為が行われていたという点において、特徴的」と認定。癒着の深刻さを示しています。

 同省は同日付で、第1補給処の歴代幹部ら22人を停職などの懲戒処分としたほか、外薗健一朗航空幕僚長を訓戒とするなど計50人を処分。外薗空幕長は24日付で退任します。

 同談合疑惑では公正取引委員会が3月、空自側が主導した官製談合であることを認定。防衛省に官製談合防止法を適用し、同月末に改善措置要求を出していました。





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