2010年12月11日(土)「しんぶん赤旗」

COP16

日本は交渉妨害者

途上国の男性 「金もうけだけ」


 【カンクン(メキシコ)=小林俊哉】松本龍環境相は9日、カンクンで開催中の気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の閣僚級会合での演説で、「京都議定書の精神を守る」「京都議定書は13年以降も存続する」などと述べ、同議定書「延長」に反対する交渉妨害者という日本のイメージの緩和に努めました。しかし、その後の日本政府の記者会見でも「日本はCOP16の成功を阻止しているのでは?」との質問が集中。COP16決裂のカギを握る日本の動向に世界が注目しています。

 各国の参加者が唖然(あぜん)としたのは、8日に日本経団連などが主催したシンポジウムでした。

 あいさつした田嶋要経産政務官や山花郁夫外務政務官は、京都議定書第2約束期間設置に反対する日本政府の立場を釈明。自公前政権以来、政府の後ろ向きの地球温暖化対策の「知恵袋」の一人となってきた山口光恒東大特任教授の発言には、厳しい批判が出ました。

 民主党政権は温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減するとの中期目標を掲げてきました。これについて山口氏は、「主要排出国の参加と野心的な削減目標」が前提条件であり、これらの条件がないから「日本は今、公式な中期目標を持っていない」と“解説”しました。

 また、「(削減目標を義務づける)トップダウン」方式の京都議定書の枠組みは崩壊したから「ボトムアップ」方式への転換が必要だとし、同議定書「延長」反対という政府の立場を正当化しました。

 会場からは、「日本が25%目標を放棄したことを認めた誠実さに感謝する。しかし、それによって生じる破壊的影響をどうするつもりか」との質問が出ました。

 山口氏は「世界の気温が2度上昇しても世界の終わりではない」と述べ、昨年のCOP15で確認されたコペンハーゲン合意も無視する姿勢を示しました。

 これに対しザンビアの男性は、「アフリカでもパキスタンでも気候変動で今、人々が死んでいる。2度上昇はジェノサイド(集団虐殺)だ。日本は金もうけするかもしれないが、それはジェノサイドによってだ」と厳しく批判。会場から大きな拍手が起きました。





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