2010年12月10日(金)「しんぶん赤旗」

日航が「整理解雇」通告

202人対象 本社前、抗議の宣伝


 日本航空は9日、日航キャビンクルーユニオン(内田妙子委員長)と日本航空乗員組合(宇賀地竜哉委員長)にたいして「整理解雇」を実施することを通告しました。

 対象者は、客室乗務員が休職者34人、53歳以上が74人の合計108人。パイロットは、休職者4人を含む94人。合わせて202人です。解雇は12月31日付とし、10日に各人に郵送で通達するとしています。

 「整理解雇」は、企業が労働者の意思を無視して一方的に解雇するもの。日航は11月15日にこの方針を発表していましたが、すでに人員削減計画が目標に達成していることや、収益が当初計画を大幅に上回る1000億円を超えているなど、「整理解雇」という手段をとらなければならない理由はないことが明らかになっています。

 キャビンクルーユニオン(CCU)は、会社が強行した場合、24、25の両日、ストライキを実施する方針を決め、会社に通告しています。CCUと日航乗員組合は9日夕、東京都品川区の日航本社ビル前で、「安全運航を守るため解雇を撤回せよ」と抗議宣伝を行いました。


「整理解雇」通告に抗議する

穀田国対委員長が談話

 日本共産党の穀田恵二国対委員長・国土交通部会長は9日、「日本航空の『整理解雇』通告に抗議する」との談話を発表しました。

 会社更生手続き中の日本航空が9日、労働組合に対し、「整理解雇」を通告した。

 何の根拠も道理もない「整理解雇」に踏み切ったことに断固抗議する。

 日航本体の人員削減計画は、11月末時点で、すでに1615人の目標を上回る1688人が退職募集に応じている。

 休職者や病欠者、深夜業免除者など在籍者の退職を0人とカウントするなど、削減人数をごまかす異常なやり方は断じて認められない。

 しかも、日本航空はこの間、なりふり構わぬ違法・不当行為を繰り返してきた。「整理解雇」をちらつかせ、対象者の勤務を外すなど「退職強要」を続け、憲法で保障された労働基本権を侵害する労組への支配・介入まで行っている。こういうやり方は、「整理解雇の4要件」をまったく満たしていない。

 今回の「整理解雇」は、なによりも「安全運航」を脅かし、信用を失墜させるものである。安全運航と公共性を最優先してこそ真の再建が果たされる。

 日航再建をかかげ、公的資金までを投入した政府が、「退職強要」や労働基本権侵害の告発に何の手も打たず、不当な「整理解雇」を回避させることもしなかった責任は重大である。「整理解雇」を撤回させ、あくまでも話し合いによる解決を主導するよう強く求める。


 整理解雇の4要件 (1)解雇による人員削減がどうしても必要であること(2)希望退職や一時帰休など解雇回避の努力がつくされたこと(3)解雇者の人選が客観的、合理的であること(4)解雇手続きが妥当であること





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