2010年12月8日(水)「しんぶん赤旗」

イランの核開発問題

6カ国との協議開始


 【カイロ=伴安弘】イランの核開発をめぐる同国と国連安保理常任理事国(英仏米中ロ)にドイツを加えた6カ国の協議が6日、スイス・ジュネーブで2日間の日程で始まりました。協議は2009年10月以来、1年2カ月ぶりです。

 6カ国は、これまでの協議で、イランのウラン濃縮が核兵器開発につながるものだとして、その停止を求めてきました。これに対し、イランは平和目的の核開発は許されると主張。今回の協議でも合意は困難とみられています。

 協議には、イラン側から核交渉責任者のジャリリ氏、6カ国側からは欧州連合(EU)のアシュトン外相(外交安保上級代表)と6カ国の高官が出席しています。

 ジャリリ氏は協議の冒頭、イランの核開発にかかわっていた科学者2人が先週テヘランで襲われ、1人が死亡した事件をとりあげ、欧米側への不信を示しました。アシュトン代表はこの襲撃事件を非難しました。

 前回の協議で、イランはウラン濃縮をロシアに委託することに同意しました。しかしその後イランが新たな条件を出し、合意は破棄されました。

 イランは今回の協議を前にした5日、国内の鉱山で採掘されたウラン鉱石を精錬して濃縮ウランの原料となるウラン精鉱(イエローケーキ)を製造したと発表。他国に依存しないウラン濃縮が可能になったことを誇示しました。ウラン濃縮を進めるイランに対し、国連安保理は4度にわたって制裁措置を科しています。





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