2010年12月8日(水)「しんぶん赤旗」

タイとカンボジア

2年半ぶり 関係正常化

紛争地帯は非武装化へ


 【ハノイ=面川誠】タイ外務省は7日、国境紛争が続いていたカンボジアとの関係を正常化したことを明らかにしました。カンボジアのフン・セン首相も6日、関係正常化を言明し、紛争地域の非武装化などを進める考えを明らかにしました。


 紛争の原因となった国境地域のヒンズー教寺院「プレアビヒア」は、国際司法裁判所(ICJ)の判決でカンボジアの領有権が確定しています。2008年7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、カンボジアの申請で寺院を世界遺産に登録。タイ世論の反発で緊張が高まり、寺院周辺に両国軍が部隊を派遣し、数回の交戦で両国軍に死傷者が出ました。

 タイ外務省報道官は7日、「すでに両国はそれぞれ大使を帰任させている。フン・セン首相の言う通り、両国関係は正常化された。国交樹立60周年を祝う各種行事が行われている」と語りました。

 カンボジアのメディアによるとフン・セン首相は6日、首都プノンペンで演説。9月以降にタイのアピシット首相と4回会談した後、国境地域での両国当局間の連絡や民間交易が回復したと述べました。

 同首相は「両国関係は正常な状態に戻った。2008年7月15日以前の状況に復帰した」と言明。今後の課題として、寺院周辺の非武装化、地雷除去、新たな検問所設置などを挙げました。

 カンボジア政府は19日にプノンペンで、タイとの国交樹立60周年を祝う式典を開催します。フン・セン首相は、タイのカシット外相が出席すると述べました。

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