2010年12月8日(水)「しんぶん赤旗」

諫早開門 ただちに

漁民ら上京、決断迫る

高裁勝訴 農水省前で訴え


 長崎県諫早湾干拓事業の潮受け堤防の開門を命じた「よみがえれ!有明海訴訟」福岡高裁控訴審判決を受け、勝訴した原告と弁護団は7日、衆院第1議員会館で判決報告・緊急集会を開き、一日も早い開門を国に求めました。


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(写真)「上告するな」とすみやかな開門を求め、農水省前で座り込む原告の漁民ら=7日、東京・農水省前

 有明海沿岸で漁船による漁業を営む原告の平方宣清さん(57)は「漁業者が自殺する悲惨な事件も多い。このままでは有明海が死んでしまうと裁判を起こしたが、判決は豊かな海を取り戻す第一歩。早く開門して堤防内に海水を入れ海が元に戻ることを願っている」と発言。原告の島原漁協の原告、中田猶喜さん(60)も「有明海の再生は開門でしかありえない。早期に決断してほしい」と訴えました。

 馬奈木昭雄弁護団長は「控訴審判決はわかりやすい論理でだれでも納得できる。国の開門できない主張は明確に退けられ、国側が最高裁に上告することは法的に困難。国はこれ以上開門を引き延ばすことなく、ただちに政治決断すべきだ」と強調しました。

 集会には、上京した佐賀県、長崎県の原告の漁民や、支援団体のメンバーと与野党の国会議員が出席。日本共産党の赤嶺政賢、高橋ちづ子両衆院議員が出席し、「みなさんと力をあわせて、開門実施を実現するようがんばっていきたい」とあいさつしました。

 集会に先立って、控訴審で勝訴した同原告団・弁護団や支援団体のメンバー約30人が東京・霞が関の農水省前で、控訴審判決を報じた新聞をパネルに張って宣伝行動にとりくみました。

 長崎県有明漁協の原告、松本正明さんは「元の生活がすぐ戻るとは思わないが、一日も早く開門して元の海に戻してほしい」と述べ、「農水省は上告しないで」「開門を命じた判決を受け止め、決断を」と訴えました。





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