2010年12月5日(日)「しんぶん赤旗」
イベロアメリカ首脳会議が開幕
金融・貿易 新システムを
アルゼンチン大統領強調
【モンテビデオ(ウルグアイ)=菅原啓】中南米19カ国とスペイン、ポルトガル、アンドラ公国で構成されるイベロアメリカ首脳会議が3日、アルゼンチンのマルデルプラタで開幕しました。
20回目となる今回の首脳会議のテーマには、新自由主義の横行で多くの国民が経済発展から排除され、その克服が重要課題となっている中南米諸国の状況を反映して、排除ではなく「社会的包摂のための教育」が掲げられています。
4日に採択される最終文書では、各国の教育を促進するための共同基金の創設などが盛り込まれる見込みです。
開催国アルゼンチンのフェルナンデス大統領は3日夜の開会式を兼ねた夕食会であいさつ。世界経済危機の教訓として、新しい世界的な経済・金融構造の構築が求められていると強調しました。
貿易問題では、5年前の2005年に同じくマルデルプラタで開催された米州サミットで、米国が推進していた米州自由貿易圏構想(FTAA)が、中南米主要国の反対で葬り去られたことについて「歴史的で記念すべき瞬間だった」と指摘。「われわれは新しい世界に生きている」として、貿易面でも新しいシステムの構築が必要だと主張しました。
首脳会議前に開かれていた外相会合では3日、クーデター発生国への制裁条項を含む宣言案が採択されました。イベロアメリカ諸国の枠組みで、クーデター国への共同対処方針が決定されるのは初めてのことで、4日の首脳会議での採択の行方が注目されています。
イベロアメリカ首脳会議 イベリア半島にあるスペイン、ポルトガルと、かつて両国の植民地だった中南米諸国が毎年開く首脳会議で、1991年の創設。現加盟は22カ国。貧困削減や雇用創出、持続可能な開発戦略など、各国に共通する課題や国際的な問題を議論し、相互協力を促進することが目的です。
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