2010年12月3日(金)「しんぶん赤旗」
怖い密室取り調べ
冤罪被害者告発 可視化求め集会
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「待ったなし! 今こそ可視化の実現を 冤罪はこうして作られる」と題した集会が2日、東京都千代田区の弁護士会館で開かれ、市民や弁護士らが冤罪を生み出す捜査の問題点について話し合いました。取調べの可視化を求める市民集会実行委員会の主催で、日本弁護士連合会が共催しました。
集会では冤罪の実態について、被害者らが告発しました。
足利事件の菅家利和さんは、「警察では、最初から犯人と決めつけられた。髪の毛を思いっきり引っ張られ、足蹴りもされた」と語り、そうした無法を許さないために「可視化は絶対に必要」と訴えました。
布川事件冤罪被害者の桜井昌司さんは「警察は、殴ったり蹴ったりする不法行為をしているから可視化ができない。日本の警察官は、取り調べ技術を磨こうとしていない」と指摘。同じく被害者の杉山卓男さんは、自白強要で冤罪の調書が作られたと、密室での取り調べの怖さを訴えました。
厚労省元局長事件弁護団の河津博史弁護士は、「密室の取り調べでは、真実に反する証拠が作成されることが、あらためて明らかになった」と語りました。
可視化の重要性についてジャーナリストの江川紹子さん、元東京高裁判事の木谷明さんが報告。日弁連の宇都宮健児会長もあいさつしました。
日本共産党の井上哲士参院議員が参加し、「なんとしても全面可視化を実現するべきだ」と訴えました。
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