2010年11月30日(火)「しんぶん赤旗」

都の青少年条例改定案

漫画家らが反対声明

「文化しぼむ」「なぜ急ぐ」


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(写真)東京都の青少年条例改定案に反対の思いを述べる(こちら向き右2人目から)秋本治、ちばてつや、やまさき十三、本そういちの各氏=29日、都庁

 日本漫画家協会、21世紀のコミック作家の会、マンガジャパンの3団体と日本雑誌協会は29日、東京都の石原慎太郎知事が12月都議会に提案を予定している青少年健全育成条例改定案に反対する声明を発表しました。

 同日、漫画家のちばてつや、秋本治、本そういち、原作者のやまさき十三の各氏と、日本雑誌協会の役員ら12人が都庁で記者会見しました。

 ちば氏は「漫画やアニメの文化がしぼんでしまうことを心配している」、やまさき氏は「なんでそんなに急ぐのか解せない。絶対反対です」、秋本氏は「規制されたら、こち亀(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)の両さん(主人公)が普通の生活をするようになってしまう。漫画として成り立たなくなる」と語りました。

 小学館の山了吉取締役(日本雑誌協会編集倫理委員長)は、雑誌協会が自主規制をしてきたことを説明、改定案について「治安対策が家庭教育に入ってくる」と懸念をのべました。星晶広弁護士は、都が改定案を公表したのが都議会開会(30日)の8日前で、手続きの観点からも問題があると批判しました。

 声明は、改定案が18歳以上の登場人物についても規制対象とするなど6月都議会で否決された案よりも規制の範囲が拡大されていると指摘。「憲法で保障された表現の自由を侵害する恐れがあって、漫画家の創作活動を委縮させる」と批判しています。


 東京都の青少年健全育成条例改定案 漫画・アニメーションで登場人物の「違法」とされる性行為を「不当に賛美・誇張」する作品を規制対象とします。前回案は6月都議会で日本共産党、民主党などの反対多数で否決されました。





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