2010年11月28日(日)「しんぶん赤旗」
きょう黄海で米韓演習 高まる緊張
冷静・自制求める
中国外相、北と米韓に
【北京=小寺松雄】北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)への砲撃を受け、米韓は28日から黄海で合同軍事演習を実施します。米原子力空母「ジョージ・ワシントン」も派遣されます。これに対し北朝鮮は猛烈に反発し、報復の可能性を示唆。緊張が高まる中、楊潔篪(ようけつち)外相は26日、北朝鮮と米韓にそれぞれ「冷静になり自制的姿勢を」と訴えました。
楊外相はこの日、北朝鮮の池在竜(チ・ジェリョン)北京駐在大使と会談。韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相、米国のクリントン国務長官とは電話で会談し、朝鮮半島情勢について意見を交換しました。砲撃事件後、中国と北朝鮮との協議が明らかになったのは初めてです。
楊外相はそれぞれの会談で、「事態の推移を深く憂慮している」と述べ、南北朝鮮双方に「冷静さと自制的な姿勢」「速やかな接触と対話」を要望。「このような事件の再発を確実に防ぐことが当面の急務だ」と訴えました。
また米国を含む関係国に向けて「和平交渉の促進と6カ国協議の速やかな再開」を提起。「朝鮮半島の平和と安定を共同で守ろう」と呼びかけました。
韓国メディアによると、韓国の金外相は「中国は今回の事態をありのままに受け止め、責任をもって行動してほしい」と要請。米韓演習についても「北の挑発を防ぐためで、挑発がなければ演習はなかった」と反論しました。
中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は米韓演習について26日に談話を発表し、「中国の排他的経済水域(EEZ)内で、いかなる国も中国の許可なしで軍事行動をすることに反対する」と表明。「朝鮮半島情勢は極度に敏感になっている。各方面は緊張緩和に役立つ行動をとってほしい」と訴えました。
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