2010年11月19日(金)「しんぶん赤旗」

米原子力空母の放射能漏れ想定

防災訓練 市民抜き

住民団体批判“不安に応えず”

神奈川・横須賀


 米海軍原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が配備されている神奈川県横須賀市で18日、同空母から微量の放射能を含む冷却水が漏れたという想定で日米が合同で原子力防災訓練を実施しました。米側が「放射能は基地外へ広がらず、市民に影響は及ばない」とする立場をとっているため市民参加はなく、市民団体から「市民も参加する訓練にすべきだ」と批判の声が上がっています。


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(写真)米原子力空母ジョージ・ワシントン(奥)の放射能漏れ事故を想定した日米合同訓練で、海水や泥を採取する放射能調査船(手前)=18日、神奈川・米海軍横須賀基地

 訓練はGW配備(2008年9月)に備え07年11月から毎年実施しているもので今回が4回目。GWを使用しての訓練は3回目です。市民の参加は一度もありません。

 米軍、横須賀市、政府関係機関、神奈川県、県警から178人が参加し、米海軍横須賀基地と横須賀市役所に設置した災害対策本部との間での日米間の情報の伝達・共有などを実施しました。GW周辺では横須賀海上保安部のモニタリングボート「きぬがさ」に米側と日本の専門家らが乗り込み放射能の監視訓練を行い、海水や海底の泥などを採取しました。

 訓練に対し、原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会の呉東正彦共同代表は「最悪の想定のもと、市内全域を対象にした、米海軍、市民、基地従業員の参加する一元的原子力艦事故防災訓練を実施すること」を市、国、米海軍に求めるコメントを発表。

 米原子力空母の横須賀配備を阻止する三浦半島連絡会の新倉泰雄事務局長はGWの原子炉周辺定期整備や放射性廃棄物搬出で「市民の不安が増大している」として市、国、市民、基地従業員、米軍が一体となった訓練の実施を求めています。





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