2010年11月11日(木)「しんぶん赤旗」

TPP参加断固阻止、「食料主権」を保障する貿易ルールを

緊急全国集会 志位委員長のあいさつ


 東京都内で10日に開かれた「TPP交渉への参加に反対し、日本の食を守る緊急全国集会」で、日本共産党の志位和夫委員長があいさつしました。紹介します。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=10日、東京・日比谷野外音楽堂

「乗り遅れたら大変」でなく、「乗ったら大変」

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。日本共産党の志位和夫です。日本共産党を代表して、心からの連帯のあいさつをおくります。(拍手)

 私たちは、11月2日の日本農業新聞に、全面意見広告を出しました。(その新聞を掲げて)「日本農業を壊滅させるTPP参加に断固反対します」と連帯の気持ちを表明しました。(拍手)

 私は、菅政権が昨日閣議決定したTPP協議開始の方針の撤回を求めます(拍手)。日本のTPP参加を断固阻止するために、最後まで党をあげてたたかいぬく決意をここに表明するものであります。(拍手)

 菅政権は「乗り遅れたら大変」といいますが、「乗ったら大変」(笑い)、国民に大変な被害を与えるのがTPPではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

日本農業に壊滅的打撃、食の安全を破壊する「亡国の政治」

 第一に、TPP参加は、日本農業に壊滅的な打撃を与え、国民の食の安全と安定的な食料供給を根底から破壊します。

 菅首相は、TPP参加と日本農業の再生を「両立させる」といいます。しかし、TPPは例外なしの関税撤廃です。一度そんな枠組みに参加したら、逆立ちしても「両立」など不可能であることは火を見るよりも明らかではありませんか。(拍手、「そうだ」の声)

 農水省の試算でも、農林漁業分野の関税を撤廃すれば、日本の食料自給率は13%まで落ち込んでしまいます。地球規模の食料不足が大問題になっているときに、TPP参加で豊かな潜在力をもった、かけがえのない農林漁業をつぶすなどというのは、国民の願いにも、世界の流れにも反する、「亡国の政治」といわなければなりません。(拍手)

ごく一握りの輸出大企業のために日本を売り渡す「売国の政治」

 第二に、TPP参加は、食の問題にとどまらず、地域経済を破壊し、日本経済を壊し、国土と環境を壊すものです。

 前原外務大臣は、「日本のGDPにおける第1次産業の割合は1・5%だ。1・5%を守るために98・5%が犠牲になっている」などと言い放ちました。許しがたい暴言であります(「そうだ」の声、拍手)。農林漁業は、単なる数字で判断できるものではありません。地域経済を支え、関連産業を支え、雇用を支え、国土と環境を守る、かけがえのない多面的役割を果たしているのが農林漁業ではありませんか(拍手)。これをわからない政治家は政治家失格だといわなくてはなりません(「その通り」の声、大きな拍手)

 TPP参加はこれらすべてを犠牲にすることになります。TPP参加で利益を得るのはごく一握りの輸出大企業だけです。ごく一握りの輸出大企業のために、日本を売り渡す政治――「売国の政治」は、断じて許すわけにはいきません。(拍手)

きびしい自然と向き合い、生産に励んでいるみなさんを応援する政治を

 農業も、漁業も、林業も自然との営みです。自然は豊かな恵みをもたらすとともに、ときとして暴力的な猛威を振るいます。猛暑の夏はたいへんご苦労されたと思います。きびしい自然条件と向き合い、生産に励んでいるみなさんを、応援することこそ政治の仕事ではありませんか(拍手)。みなさんを応援すべき政治が、みなさんに襲いかかるなどということは、絶対に認めるわけにはいきません。(拍手)

 TPP参加を阻止し、「食料主権」を保障する貿易ルールをつくり、農林漁業を真に再生させるためにも、私たち日本共産党はみなさんとがっちりスクラムを組んで最後までがんばる決意を重ねて表明しまして、私のあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)





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