2010年11月8日(月)「しんぶん赤旗」

チリ鉱山労働者

賃上げ求め無期限スト

政府の調停もつれ決裂


 【メキシコ市=菅原啓】南米チリ北部のコジャワシ鉱山で働く労働者と、同鉱山を所有する会社側との労働契約をめぐる交渉が5日決裂し、約1500人の労働者が、同日から無期限ストに突入しました。


 同鉱山の労働組合幹部ハケリネ・セルダ氏は、採掘場に向かうバスに労働者は誰も乗車しておらず、太平洋岸の積出港プンタパタシェでもストが実施されていると述べています。

 労組側は賃金を40%引き上げて年額2万5000ドル(約200万円)とするよう要求しています。これに対し、会社側はいったん回答を示したものの、労組側は拒否。先月25日から政府が調停に乗り出し、労使交渉が続いていました。

 この交渉で会社側は、金額では労組要求を受け入れましたが、上乗せ分が一時金、諸手当を含んだものだったことから、労組側は収入の安定にはならないとして、再度拒否しました。

 チリ鉱山労働者連合のクリスティアン・アランチビア書記は、銅の国際価格高騰で、会社の純益は23億ドルにも達していると指摘。「(賃上げ)要求は利益の6%にすぎない」と強調しています。

 会社側は同鉱山での生産を継続するため、臨時労働者を雇用すると発表。これに対し、未経験の労働者を使うのは危険だと批判が高まっています。

 同書記は、作業員救出が世界的な話題となったサンホセ鉱山の例も挙げ、鉱山労働の危険を改めて指摘。経験のない若い労働者を大量に投入することは重大な事故につながると、安全性を軽視した会社側の対応を厳しく批判しています。


コジャワシ鉱山 チリ北部のタラパカ州南東約185キロ、ボリビア国境に近いアンデス山中の標高4400メートルの高地にある銅・モリブデン鉱。昨年は世界の銅の3・3%、53万トンを生産しており、世界最大の銅産出国のチリで、生産量は国内でも世界でも3位。資源メジャーのアングロ・アメリカン(英)、エクストラータ(スイス)が株式を44%ずつ所有、残りを三井物産など日本企業が所有。





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