2010年11月5日(金)「しんぶん赤旗」

国際結婚

トラブル急増 殺人も

越韓が対策


 【ハノイ=面川誠】ベトナム人女性と韓国人男性の結婚をめぐるトラブルが急増していることを受けて、両国が対策に乗り出しています。

 韓国の白喜英(ペク・ヒヨン)女性家族相は10月21日、訪問先のハノイで、ベトナム女性連合会のグエン・ティ・タイン・ホア会長と「国際結婚の健全化および女性発展協力のための了解覚書」に調印しました。

 今年7月に韓国の釜山で、韓国入国からわずか7日後にベトナム人女性が韓国人の夫に殺害される事件が発生。韓国政府が遺憾の意を表明する外交問題に発展していました。

 違法な仲介業者による詐欺も横行し、韓国に渡った後は監禁状態で労働や売春を強要される「人身売買」が後を絶たないといいます。

 覚書は、▽韓国に渡るベトナム人女性に対する事前の韓国語教育や生活文化講習などを共同運営する▽違法仲介業者の取り締まり強化のために情報を交換する▽国際結婚に関する法制度や政策改善のために協力する―としています。

 韓国女性家族省は2008年から海外公館に「国際結婚移民官」を派遣し、配偶者ビザの審査や現地政府との情報交換に当たらせていましたが現在は中断しています。この制度を復活させ、まずベトナムに派遣することを検討中です。

 同省によると、韓国に住むベトナム人は約9万人。このうち約3万5000人が韓国人男性の配偶者ビザで入国した女性です。

 今回の覚書は、国際結婚に関して韓国が外国と締結した初めてのもの。白女性家族相は「両国の国民が健全な国際結婚をできるよう、相互に協力する契機にしたい」との談話を発表しました。





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