2010年11月5日(金)「しんぶん赤旗」

太陽 水 風

グリーンエネルギー開発に力

「目指せ 電力輸出国」

モロッコ


 アフリカ北部のモロッコが、風力、太陽熱、水力の「グリーンエネルギー」の開発を進めています。現在はエネルギー源の95%を輸入に頼っていますが、グリーンエネルギーの開発でエネルギーの輸入国から輸出国への転換を目指しています。(カイロ=伴安弘)


地図

 スペインの対岸、ジブラルタル海峡に臨むタンジールにあるダールサデンの丘には今、126基の風力タービンが回っています。政府が6月に設置し、アフリカ最大規模で、140メガワットの電力供給能力があります。

欧州が協力

 モロッコの風力発電供給量は現在、年間280メガワットです。政府は22億ユーロ(約2468億円)を投資し、2020年までに2000メガワットに拡大する計画です。

 しかし、これは政府が進める新エネルギー源開発計画のほんの一端にすぎません。さらに野心的なのは太陽熱エネルギーの開発です。ただ資金、技術などの面からモロッコ一国ではできません。欧州諸国が協力に乗り出しています。

 欧州連合(EU)27カ国と地中海諸国16カ国は、20年までの10年間に、20ギガワットの電力を供給する太陽熱発電の開発をアフリカで行う計画です。モロッコはこの計画の重要な一端を担います。この電力の4分の1がモロッコから欧州諸国に輸出されることになります。

日光に満ち

 モロッコは20年までに66億ユーロ(約7405億円)の資金を太陽光エネルギーの開発に当て、2000メガワットの電力を供給する計画です。砂漠地帯が広がる同国は、日光に満ち、太陽熱発電に適しています。モロッコ太陽エネルギー庁のバックリー長官によると、同国の太陽熱発電施設はスペインにある同じ程度の規模の施設よりも20〜30%多く発電できるといいます。

 施設設置の候補地は5カ所が選定されました。その最初の候補地は、映画「カサブランカ」や「スターウォーズ」のロケ地として知られる同国中部の砂漠の町ワルザーザート。政府は、年内にこの計画の具体化に着手し、15年までに同地で500メガワットの電力供給を目指します。

 水力発電にも力を入れています。20年までに3カ所にダムを造り、2200メガワットの電力供給を図ります。

 こうした事業により、同国のエネルギー需要に占めるグリーンエネルギーの割合は、20年までに42%にまで高まるとみられています。





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