2010年10月30日(土)「しんぶん赤旗」

管制官有罪に抗議 全運輸労組など

安全確保に逆行


 2001年、静岡県焼津上空で起きた日航機同士のニアミス事故で、業務上過失致傷罪で起訴された航空管制官2人に対して、最高裁が有罪判決を言い渡したことに全運輸労働組合(熊谷俊介委員長)は29日、判決は「航空の現場に混乱をもたらし、航空の安全確保に逆行する反動的かつ非科学的」と断固抗議する声明を発表しました。

 声明は、「事故は管制官の言い間違いではなく、多くの事象が複雑に絡み合って発生したシステム性事故である」と特徴づけ、「とくにTCAS(航空機衝突防止装置)の運用方式に重大な問題があった」と指摘。TCASが表示するRA(回避指示)を地上の管制官が予見できるのかどうかでは一審、二審、どの証人も「予見できない」と証言していることなどをあげ、判決を批判しています。

 パイロットや管制官、客室乗務員など航空業界で働く1万5千人でつくる航空安全推進連絡会議(酒井孝信議長)は「不当判決は一切認めることはできない」との声明を発表。システム性事故であることを強調し、「管制官に刑事罰を科すことは、理不尽極まりない」と批判しています。





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