2010年10月30日(土)「しんぶん赤旗」
JAL「監視ファイル」断罪判決を報告
リストラはね返す力
客室乗務員ら勝利に感涙・拍手
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JAL監視ファイル事件は、東京地裁で行われた28日の判決で、日本航空の客室乗務員約1万人の個人情報を会社と一体に収集していたJAL労働組合(連合・航空連合加盟)の人権侵害が断罪されました。勝訴した客室乗務員たちは、判決を生かして、「自由にものが言える職場」を取り戻そうと誓いを新たにしました。
東京地裁103号法廷には、170人の客室乗務員と支援者がつめかけ、原告席と傍聴席からあふれました。裁判長が勝訴判決を読み上げると、喜びの拍手がおこり、涙を流す原告の姿もありました。
報告集会の会場に、記者会見を終えた飯田幸子原告団事務局長らが現れると大きな拍手が起きました。
「いいタイミングで、判決が出ました」と話す飯田さん。日航は現在、ベテランや「病欠日数」を基準としたリストラ対象者の乗務を外し、退職を迫っています。「人権侵害となるような暴言で退職を迫っています。判決を、リストラをはね返す力として、日航の真の再生に活用したい」と力を込めました。
日本航空キャビンクルーユニオン(CCU、航空連加盟)の内田妙子委員長は、「昨日から涙もろくなって、これまでのいろんな思いで声がつまりました」と語ります。
判決前日は会社との団体交渉で、リストラ回避策を講じようとしない会社の強硬姿勢に悔し涙。この日は、勝利判決で喜びの涙でした。「安全運航に不可欠のチームワークを壊す人権侵害を職場から一掃しましょう」と呼びかけました。
「勝利判決でほっとしています」と話す原告の女性(50)は、監視ファイルに流産のことが書かれ「業務と関係のないこと。ここまで書くのか」とショックだったといいます。
会社からリストラ面談で脅され、退職を迫られていますが、「みんな傷つき、暗い職場になっています。のびのび働ける当たり前の職場にかえるまでやめられません」と決意を固めていました。
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