2010年10月29日(金)「しんぶん赤旗」

厚生年金 えっ 保険料が掛け捨てに!

機構のシステムに欠陥


 日本年金機構の年金裁定システムに保険料の掛け捨て期間を生じさせる欠陥があることが明らかになりました。現行の裁定システムがスタートして以来、二十数年にわたって、年金の不払いが生じている可能性があります。


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(写真)稲村さんの年金見込み額の回答票(左)と年金決定通知書

 これは東京都町田市在住の稲村七郎氏(65)の年金額が、退職前に出してもらった見込み額を大幅に下回っていたことから明らかになったものです。稲村氏は昨年11月、東京都町田市の町田年金相談センターで、今年2月27日に退職した場合、3月分から受給する年金見込み額は204万6200円(年額)と算出されていました。

 ところが4月になって送られてきた年金決定通知書には179万4500円(同)。25万1700円も少なくなっていました。

 見込み額は、厚生年金加入期間を470月で計算しているのに、決定通知書では60歳以降(59カ月)の加入期間を省き、411月で計算しています。

 60歳から65歳になるまで支払われる特別支給の老齢厚生年金は、受給権者がその権利を取得(稲村氏の場合60歳)して以降、仕事に就いて保険料を払った期間分は、退職後、再就職せず1カ月たてば加入期間に算入する改定(退職改定)がされます。ところが稲村氏には、その改定がされず、60歳以降約5年分の保険料が年金額に反映されないままになっていたのです。

 稲村氏の場合、今年3月15日に65歳になりました。このため4月からは、60歳以降の加入期間を反映した老齢厚生年金に切り替わるため、年金不払いの被害を受けたのは3月の1カ月分です。

 稲村氏が年金機構に見込み額と決定額の違いについてただすと機構側は返答を二転三転させた末「(見込み額と決定額の)どちらが正しいか検討・確認」することを約束。今月1日に「機械の不具合だった」として「改定処理される」と回答しました。12日には「10月の支払いで(改定を)やるつもりだったが、まだ計算が間に合っていない。いま作業中」と稲村氏に答えていました。

 26日になって、年金機構は、本紙の質問にこれまでの回答から一転して“稲村氏の場合、退職改定はされない”と回答を変え、年金不払いを正当化しています。

 このシステムによって、退職後1カ月以内に65歳になった場合、退職改定がされず、同様の年金不払いが長期にわたって多数生じている可能性があります。被害の規模を含めて、その全容解明が求められています。


 稲村氏の話 10月中旬まで年金機構本部は、年金額の誤りを認めて改定作業をしていると説明してきた。年金事務所の担当者も、私のようなケースの場合、すべて退職改定されると言明している。それが、なぜ不払いになるのか。システムの欠陥を隠ぺいするために、新たないいわけを持ち出したのではないか。





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