2010年10月27日(水)「しんぶん赤旗」

無症状感染者除外は問題

B型肝炎訴訟和解協議 国に裁判長

札幌地裁


 集団予防接種の注射器使い回しでB型肝炎ウイルスに感染した患者らが国に損害賠償を求めている北海道B型肝炎訴訟の第6回和解協議が26日、札幌地裁(石橋俊一裁判長)で行われました。

 前回の協議で国は低額な賠償額と無症状の持続感染者(キャリアー)を救済の対象から除外する提案を行っていました。

 キャリアーを救済の対象から除外することについて、石橋裁判長は「和解協議を進めていく上で、最大の障害になっている」と述べ、次回の和解協議期日までに再検討するよう国に求めました。

 原告・弁護団は「国の提案は、命の価値に差を設けるものだ」と批判し、「医療費助成などの政策対応を取るべきだ」と主張しました。

 前回の和解協議で「死亡、肝がんは2500万円」など、不法行為に対する一般的な損害賠償水準を大幅に下回る和解金額を提示している国は、これまでの不誠実な対応の変更を迫られています。

 和解協議と並行し、原告・弁護団は札幌市内の大通公園で、国に誠意ある早期解決を求め宣伝しました。札幌市内はこの日、初雪が降り、原告と支援者は白い息をはきながら支援を呼びかけました。慢性肝炎を発症している原告の女性(50)は「過ちを繰り返さないためにも、国は一刻も早く、謝罪と誠意ある賠償をしてほしい」と訴えました。

 次回の和解協議は11月12日です。





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