2010年10月27日(水)「しんぶん赤旗」

最高検 メモ廃棄促す

“不都合な証拠隠すもの”

井上議員追及 裁判所チェック不十分

参院法務委


 村木厚労省元局長が無罪となった裁判などで検察官が取り調べメモを廃棄していた問題で、最高検察庁は26日までに、2008年に全国の検察庁へ取り調べメモの適切な保管について通知した際、不要なメモの廃棄を促す「補足説明」を出していたことを明らかにしました。この問題で日本共産党の井上哲士議員が同日、参院法務委員会で最高検の責任を追及しました。


写真

(写真)質問する井上哲士議員=26日、参院法務委

 「補足説明」は、取り調べメモを証拠開示命令の対象とした最高裁決定を受け、同年7月と10月に最高検刑事部長名で出された通知と一体のもの。公判で取り調べ状況の立証に必要と認めるものは保管するとした一方、「必要性の乏しいものを安易に保管すると、開示をめぐる無用の問題が生じかねない」として「速やかに廃棄」することを記載していました。

 井上議員は「取り調べ検事が必要と判断したメモだけを保管し、それ以外のメモを廃棄することは、結局、自分たちの不都合なものはなるべく出さないということだ」と指摘し、取り調べメモを全面的に保管するように求めました。

 これに対して西川克行法務省刑事局長は、通知は最高裁の決定の趣旨に反するものではないとしながらも「(厚労省の)村木さんの無罪事件もあり、十分なものかどうか最高検で検証したい」と答弁しました。

 井上氏は、さらに裁判所の検察へのチェック機能についても批判。

 植村稔最高裁判所事務総局刑事局長は、全国の地裁で、逮捕状請求は99・2%、勾留請求は97・7%、接見禁止請求は91・1%を認容していることを明らかにした上で、「令状の処理は国民の基本的人権にかかわるものなので、裁判官もこころして適正な処理に努めたい」と述べました。

 井上氏は大半が認容された結果、長期勾留の下で自白が強要され「日本の刑事・司法全体が問われている」と指摘。柳田稔法相は「長期勾留が自白強要の温床になっていることなど、私の下につくる検討会議で幅広い観点から抜本的な検討を行う」と答弁しました。





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