2010年10月26日(火)「しんぶん赤旗」
民族調和へ新しい政治
マレーシア与党大会 首相が強調
【ハノイ=面川誠】マレーシアの最大与党・統一マレー国民組織(UMNO)の全国大会が19日から23日までクアラルンプールで開かれました。党総裁のナジブ首相は演説で、民族間の亀裂を修復して安定した多民族国家を発展させる「新しい政治モデル」が必要だと強調しました。
同国では国民の65%を占めるマレー系の「特別な権利」が憲法で保障され、雇用、企業活動、教育などでマレー系を優遇する「ブミプトラ」政策が取られています。2008年の総選挙でUMNOが大きく後退した理由として、同政策に対する華人系、インド系の批判が挙げられました。
ナジブ氏は、マレー系優遇政策を「多民族国家であるマレーシア存続のカギ」だと擁護する一方で、民族間の調和のために首相就任時から掲げてきた「ひとつのマレーシア」を強調。「私はマレー人が“物ごい民族”になることを望まない」と述べ、優遇政策に頼り過ぎない努力を呼び掛けました。
UMNOは1957年のマレーシア独立以来、最大与党の座を維持してきました。しかし近年、ブミプトラ政策が政財界での利権構造を生み汚職の温床になっているとの批判が増大。マレー系若年層の与党離れの原因と指摘されています。
UMNOのカイリー青年部長は大会で、ブミプトラ政策の実態が理想を離れて「エリート政策」に変質し、多数のマレー系にとって実益がないと指摘。2013年までに実施される総選挙に向けた改革がなければ、UMNOは政権を失う恐れがあると危機感を示しました。

