2010年10月19日(火)「しんぶん赤旗」

生物・生態系守る 遺伝資源の利益配分

COP10始まる

名古屋


 国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が18日、生物・生態系を守るための新しい世界目標「新戦略計画」の決定と、遺伝資源の利益配分の国際ルール(名古屋議定書)の採択を最大の使命にかかげ、名古屋市で始まりました。193カ国・地域から参加し、会期は29日まで。

 開会式で、フラスバルトCOP9議長代理は「生物多様性は社会、経済、文化の基礎であり、議定書と戦略計画を採択しなければならない」と訴えました。ジョグラフ生物多様性条約事務局長は「現在の流れを放置すれば、後戻りできない限界点を超えてしまう」と語り、COP10が歴史的使命を負っていることを強調しました。

 日本は2012年12月までの任期で議長国を務めます。COP10議長に就いた松本龍環境相は「国際社会で一致した行動を起こしていこう」とあいさつしました。

 焦点の新戦略計画は、20年目標と50年目標を含む世界の共通目標で、20年目標では20項目の個別目標の設定を目指します。森林減少を食い止めることや、保護区を広げることを重要課題としています。

 名古屋議定書は1992年の条約採択以来の課題で、動植物や微生物といった遺伝資源から新薬などを開発した際、利益の一部を生物の原産国にも配分するための法的拘束力がある国際ルールを規定するものです。





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